武田薬品は25日、北海道庁との連携協定に基づき、北海道庁及び北海道教育庁と協働し、外部講師と共に動画教材を制作し提供を開始したと発表した。
同動画教材の提供は、がんに対する正しい理解と支援の促進を目的としたもの。
“日本人の二人に一人が生涯でがんになる”と言われている現代において、国のがん対策基本法の中でも、がん教育推進の重要性が示されている。文部科学省も、がんに関する教育について平成29年・30年に改訂された新学習指導要領に明記し、教員のみならず、医療従事者やがん経験者などの外部講師とも連携したがん教育を推進している。
今回提供する動画教材は、乳がんサバイバーであり、国のがん対策推進協議会メンバーでもある阿久津友紀氏(HTB北海道テレビ所属)を講師とし、がんに関する自身の経験を基に作成したそれぞれ約10分のコンテンツで、「がんってなんだ?」「家族ががんになったら?」「自分ががんになったら?」の3種類である。
北海道では、地理的な要因による情報へのアクセスの難しさを改善するために、YouTube等のICTを活用した教育提供体制の整備および学校における活用を推進しており、今回提供する動画教材は、北海道教育庁の公式YouTubeを通じて、北海道の教職員に向けて配信され、教育現場で使用される予定である。
また、動画は一般にも公開されるため、がん教育の普及啓発に課題がある北海道外の自治体でも利用が可能で、学校教師や児童生徒など幅広い対象者に活用されることが想定されている。
なお、4月27日の午前9時半から、北海道テレビが制作する番組「イチモニ!」の中で、今回の動画教材を用いた学校授業の様子が紹介される予定である。
武田薬品の日本オンコロジー事業部は、2021年に患者さんを中心とした公平ながん医療の実現の支援を目指し「Takeda Japan Oncology Policy」を策定し、同社が着目する日本のがん医療課題とその解決策として「知識普及」、「個別治療」、「研究開発」を主軸に、課題解決のための取り組みを進めている。
今回の動画教材提供は、がん患者さんを取り巻くさまざまな医療課題の中から、「知識普及」に主眼を置き、小児・AYA世代等へのがん教育における課題解決を目指し実施したものだ。
これまでも同社は、患者団体や医療従事者とパートナーシップを結び、国内従業員およびその家族を対象にした“がんの授業”や、小学4~6年生とその保護者を対象とした実践型がん教育プログラム「オンコロジーキッズプログラム」など、がん教育における課題解決に取り組んできた。
今後も武田薬品は、患者団体や医療従事者、地方自治体とパートナーシップを結びながら、がんを正しく理解し、がん患者さんが生きやすい社会づくりに貢献していく。