参天製薬は17日、眼科用 VEGF(血管内皮増殖因子)阻害剤「アイリーア8mg 硝子体内注射液 114.3mg/mL(アフリベルセプト、遺伝子組換え)」を発売したと発表した。
眼科用 VEGF 阻害剤は、回復不可能な失明や視力障害の原因となりうる中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性(nAMD)および糖尿病黄斑浮腫(DME)に対する標準治療薬として、現在多くの患者の治療に使用されている。
その中で、硝子体内投与を必要とする患者および医療従事者のアンメットニーズとして、投与間隔の延長と投与回数の減少、ならびに投与手技に関連する有害事象のリスクの軽減が期待できる薬剤の開発が求められていた。
アイリーアは、既承認のアイリーア硝子体内注射液(濃度 40mg/mL、用量 2mg投与容量0.05mL)と比べてより高濃度(濃度 114.3mg/mL、用量 8mg、投与容量 0.07mL)で硝子体内投与を行う製剤である。 アイリーアは、nAMD、DMEの適応を有し、これらの疾患に対する導入期後の維持期において、アイリーア硝子体内注射液は、通常、2カ月ごとに1回の投与だったところ、アイリーアでは、通常、16週ごとに1回の投与が可能となる。
アイリーア硝子体内注射液の有効性と安全性を損なうことなく、持続可能な疾患コントロールを実現することで、投与間隔を延長するとともに患者の負担を軽減することができ、アイリーアは、これらの疾患の新たな標準治療薬となることが期待されている。
日本国内でのアイリーアの販売は参天製薬が行い、同剤の製造販売承認はバイエル薬品が保有する。同剤の医薬品情報提供活動は両社が共同で実施する。
アイリーア硝子体内注射液は、眼科用VEGF阻害剤において最多となる6つの適応症を有しており、両社はこれまでアイリーア硝子体内注射液提供を通じて、多くの患者の視力改善に貢献してきた。
今後もアンメットニーズに応える製品の提供を通じ、網膜疾患領域における患者の生活の質の向上を目指した治療に貢献していく。