田辺三菱製薬は9日、ALS治療薬「RADICAVA ORS」(日本製品名:ラジカット内用懸濁液2.1%)について、3月28日に米国FDAよりALS(筋萎縮性側索硬化症)治療用途に関して、希少疾病用医薬品排他的承認を受けたと発表した。同承認期間は、2022年5月12日の同剤承認から7年間。
RADICAVA ORSは、ALS治療薬であるラジカヴァと同一有効成分を含む製剤である。5mlを1日1回、経口または胃ろうから投与される。投薬期と休薬期を組み合わせた28日間を1クールとし、これを繰り返す。第1クールは1日に1回、14日間連続で服用し、14日間休薬する。
第2クール以後は、14日間のうち10日間服用し、14日間休薬する。薬剤はボトルに入っており、薬剤を服用するための水や溶解液は必要としない。また、同剤は流通過程や薬局では冷蔵保存が必要であるが、患者は常温での保存できる。
ALSは、運動神経が選択的に変性・消失し、四肢、顔、呼吸筋等の全身の筋力低下と筋萎縮が進行性に起こる原因不明の神経変性疾患である。一般的に発病率は人種や民族的背景に関連なく10万人に2人/年程度とされている。
田辺三菱製薬グループでは、ALS患者と家族のアンメットメディカルニーズにこたえるため、患者が服用しやすいラジカヴァ経口懸濁剤であるRADICAVA ORSを開発し、米国では、ミツビシ タナベ ファーマ アメリカが販売している。