ファイザーは28日、抗TFPIモノクローナル抗体「マルスタシマブ(遺伝子組換え)」について、血友病の出血傾向抑制で国内製造販売承認申請を厚労省に行ったと発表した。
対象は、血液凝固第VIII因子または第IX因子に対するインヒビターのない血友病患者における出血傾向の抑制。
マルスタシマブは、ヒトIgG1モノクローナル抗体で、外因系血液凝固カスケードの主要な阻害因子である組織因子経路インヒビター(TFPI)を阻害する。血液凝固第VIII因子または第IX因子に対するインヒビター保有または非保有の血友病Aまたは血友病B患者における出血傾向を抑制するために定期投与する薬剤調製が不要な固定用量の皮下投与製剤として開発中である。
今回の申請は、成人および青年のインヒビターのない血友病A(先天性血液凝固第VIII因子欠乏)または血友病B(先天性血液凝固第IX因子欠乏)患者を対象とした国際共同P3試験(BASIS試験)の結果等に基づくもの。
マルスタシマブは主要評価項目の年間出血率について、マルスタシマブ定期投与の凝固因子出血時補充療法に対する優越性、およびマルスタシマブ定期投与の凝固因子定期補充療法に対する非劣性が示された。
また、安全性プロファイルも良好であった。
◆石橋太郎ファイザー取締役医薬開発担当のコメント
本日、インヒビター非保有の血友病患者にとって新たな治療選択肢となり得るマルスタシマブの製造販売承認を申請したことをうれしく思う。
本剤を一日でも早く血友病の患者さんにお届けできるよう、承認取得に向けて引き続き関係者と協力していく。