MSDは29日、抗PD-1抗体「キイトルーダ」と同時化学放射線療法(CCRT)の併用療法について、局所進行子宮頸がんに対する適応追加承認申請を実施したと発表した。
適応は、局所進行子宮頸がんを対象としたキイトルーダと化学療法同時併用下で実施する外部照射による放射線治療とそれに続く小線源療法(同時化学放射線療法、CCRT)との併用療法。
子宮頸がんは、子宮の入り口である子宮頸部にできるがんで、日本では、毎年約1万人が子宮頸がんと診断され、年間約3千人が亡くなっている。
子宮頸がんは、初期段階ではほとんど症状がなく、進行するに従って生理以外の出血(不正出血)、性行為の際の出血などが現れてくる。自覚症状が現れて受診したときには、すでにがんが進行していたというケースも少なくない。
早期に発見できれば比較的予後が良いと言われる子宮頸がんだが、進行すると治療が難しく、その選択肢も限られていることから新たな治療の選択肢が求められている。
今回の適応追加承認申請は、新たに高リスク(FIGO2014に基づくリンパ節転移陽性のⅠB2-ⅡB期、リンパ節転移の有無を問わないⅢ-ⅣA期)の局所進行子宮頸がんと診断された患者を対象とした、多施設共同無作為化二重盲検P3試験(KEYNOTE-A18試験)のデータに基づくもの。
同試験において、キイトルーダとCCRTの併用療法は、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)について、対照群のプラセボとCCRTとの併用に対して統計学的に有意かつ臨床的に意味のある延長を示した。
なお、同試験における同併用療法の安全性プロファイルは、これまでの試験で報告されたものと一貫していた。