潰瘍性大腸炎経口治療薬「オザニモド」 製造販売承認申請 ブリストル・マイヤーズ スクイブ

 ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)は26日、中等症から重症の潰瘍性大腸炎の経口治療薬「オザニモド」について、厚労省に製造販売承認申請を行ったと発表した。
 オザニモドは、経口のスフィンゴシン1リン酸(S1P)受容体調節剤であり、S1P 受容体1および5に高親和性で結合し、リンパ球遊走の上流で作用する潰瘍性大腸炎に対する1日1回経口の新規作用機序の治療薬である。
 潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜(最も内側の層)にびらんや潰瘍ができる炎症性疾患で、指定難病に該当する。特徴的な症状は、血便を伴うまたは伴わない下痢と、痙攣性または持続的な腹痛である。重症になれば、発熱、体重減少、貧血などの全身の症状が起こる。
 また、腸管以外の合併症として、皮膚の症状、関節や眼の症状が出現する場合もある。厚労省の患者調査によれば、2020年の日本における潰瘍性大腸炎の総患者数は18万4000人と推計されている。
 発症は小児、若年者、高齢者のいずれの年代でも見られる一方、発症年齢のピークは若年層(20代)で、性差はない。
 潰瘍性大腸炎は、重症度や罹患範囲・QOLの状態に応じて治療が行われる。軽症から中等症の患者の殆どは初回治療で寛解を得ることができる一方、これらの患者の多くは再燃を繰り返し、より重症で薬剤抵抗性へと進行する。
 そのため、潰瘍性大腸炎患者に対しては、症状の改善はもとより、重症化させない治療として、高い有効性と良好な安全性プロファイルを有する、長期使用が可能な利便性の高い経口治療薬が望まれている。
 今回の承認申請は、日本人の中等症又は重症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象とした国内P2/3試験(RPC01-3013 試験=J-True North 試験)の結果に基づくもの。同試験は、経口アミノサリチル酸製剤又はコルチコステロイドの投与歴がある中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験である。

◆杉田真BMS研究開発本部長のコメント
 潰瘍性大腸炎の患者さんの多くは、再燃と寛解を繰り返すことから長期間の医学的管理が必要となる。また、働く世代の比較的若い患者さんが多く、経済的、社会的な影響が大きいとされる疾患である。
 近い将来、オザニモドが中等症から重症の潰瘍性大腸炎の患者さんにとっての新たな治療選択肢のひとつとなることを期待している。

タイトルとURLをコピーしました