武田薬品は24日、皮下投与免疫グロブリン製剤「キュービトル」を同日より発売したと発表した。
対象は、2歳以上の「無又は低ガンマグロブリン血症」。同疾患は、原発性免疫不全症(PID)又は続発性免疫不全症(SID)による抗体が無い又は低い状態で、重篤な感染症の再発リスクが増加することを特徴としている。皮下投与の免疫グロブリン製剤は、武田薬品として初めて。
キュービトルは、有効性、安全性、忍容性および薬物動態を評価するために実施されたPIDの日本人患者を対象としたP3試験(NCT04346108)ならびにPIDを対象とした北米と欧州のP2/3相試験(NCT01218438・NCT01412385)に基づいて2022年10月26日に厚労省に製造販売承認申請を行い、2023年9月25日に製造販売承認を取得した。これらの試験において、キュービトルは有効性および安全性が確認されている。
日本においてはPIDの早期診断が課題であり、免疫グロブリンによる治療の実施は、世界の他の地域よりはるかに低い状況となっている。
また、SIDについても、悪性腫瘍などの治療に伴う免疫不全状態への対応として、免疫グロブリンなどによる治療を含めた総合的感染管理が重要であると考えられている。
日本において血漿分画製剤(PDT)を必要とする患者は、今後数年で大幅に増加することが予想され、当社は日本における標準治療を向上させ、同社のPDTポートフォリオをより多く日本に導入するために当局と協議を進めていく。
◆濱村美砂子武田薬品ジャパン ファーマ ビジネス ユニット希少疾患事業部長のコメント
世界30カ国以上で承認されているキュービトルを、本日より無又は低ガンマグロブリン血症の日本の患者さんにお届けできることを心よりうれしく思う。
免疫不全症患者さんは、重篤な感染症に罹患することが多く、免疫グロブリン補充療法はこれらの患者さんに対する標準治療のひとつである。キュービトルが新しい治療選択肢として一人でも多くの患者さんに貢献できるよう尽力していきたい。