オプジーボとヤーボイ併用療法 転移性腎細胞がんP3試験8年間データで既報の最長生存ベネフィット 小野薬品

 小野薬品は23日、オプジーボとヤーボイの併用療法について、P3相CheckMate-214試験の8年間のデータにおいて、スニチニブと比較して未治療の進行または転移性腎細胞がん(RCC)で引き続きこれまでに報告されている最長の生存ベネフィットを示したと発表した。提携するブリストル マイヤーズスクイブ(BMS)が22日に公表したもの。
 オプジーボとヤーボイの併用療法が、スニチニブと比較して、未治療の進行またはRCC患者において、国際転移性腎細胞がんデータベースコンソーシアム(IMDC)スコアのリスク分類にかかわらず、8年時点で死亡リスクを28%低減し、引き続き長期生存ベネフィットを示した。
 オプジーボとヤーボイの併用療法は、スニチニブと比較して、中および高リスクの予後因子を有する患者ならびに全無作為化患者において、引き続き良好な生存ベネフィットおよび持続的な奏効を示した。同データは、1月25~27日に開催される2024年米国臨床腫瘍学会(ASCO)泌尿器がんシンポジウムで口頭発表される。
 中および高リスクの患者(847例)のうち、オプジーボとヤーボイの併用療法群(425例)は、スニチニブ群と比較して、8年時点(中央値99.1カ月)でも治療効果を持続し、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、奏効率(ORR)および奏効期間(DOR)において次の改善を示した。

・OS:中および高リスクの患者における OS の中央値は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で 46.7 カ月、スニチニブ群で 26.0 カ月でした [ハザード比(HR)0.69;95% 信頼区間(CI): 0.59 – 0.81]。90カ月時点の全生存率は、併用療法群で32.9%、スニチニブ群で22.0%であった。

・DOR:DORの中央値は、併用療法群で82.8カ月、スニチニブ群で19.8カ月であった。

・PFS:独立放射線評価委員会(IRRC)の評価によるPFSの中央値は、併用療法群で12.4カ月、スニチニブ群で8.5カ月であった(HR 0.73;95% CI: 0.61 – 0.87)。90カ月時点の無増悪生存率は、スニチニブ群の8.5%に対し、併用療法群では3倍となる25.4%であった。

・ORR:併用療法群は、スニチニブ群と比較して、ORRベネフィットを持続した(併用療法群42% vs スニチニブ群27%)。また、併用療法群ではスニチニブ群の4倍に当たる患者が完全奏効(CR)を達成した(併用療法群12% vs スニチニブ群3%)。
 さらに、Intent-to-treat (ITT)集団(1,096例)では、オプジーボとヤーボイの併用療法群は全評価項目において次の長期ベネフィットを示した。

・OS:併用療法を受けた全無作為化患者におけるOSの中央値は52.7カ月で、スニチニブ群では37.8カ月でした(HR 0.72;95% CI: 0.62 – 0.83)。

・DOR:DORの中央値は、併用療法群で76.2カ月、スニチニブ群では25.1カ月であった。

・PFS:IRRCの評価によるPFSの中央値は、併用療法群で12.4カ月、スニチニブ群で12.3カ月であった(HR 0.88;95% CI: 0.75 – 1.03)。

・ORR:併用療法群は、スニチニブ群と比較してより高いORRを示し(併用療法群39% vsスニチニブ群33%)、併用療法群ではCRを達成した患者が4倍となった(併用療法群12% vs スニチニブ群3%)。
 オプジーボとヤーボイの併用療法の安全性プロファイルは、確立された治療アルゴリズムを用いて管理可能であり、長期の追跡調査において新たな安全性シグナルは認められなかった。

◆Nizar Tannirテキサス大学MDアンダーソンがんセンター、がん医学部門、泌尿生殖器腫瘍内科教授(M.D.、F.A.C.P.)のコメント
 進行腎細胞がんを対象としたチェックポイント阻害剤の併用療法のP3試験として過去最長の追跡調査であるCheckMate -214試験の8年間のデータで、オプジーボとヤーボイの併用療法が引き続きこの患者集団で良好な生存ベネフィットおよび持続的な奏効を示していることは、驚くべきだ。
 主要評価項目である中および高リスクの患者集団のみならず、副次評価項目であるITT集団においても、スニチニブ群と比較して持続的なベネフィットを示している。
 これは、この免疫療法薬2剤の併用療法によって、IMDCリスク分類にかかわらず患者さんが良好な長期アウトカムを達成できる可能性を示すものである。

◆Dana Walker BMSバイスプレジデント兼消化器・泌尿生殖器がん領域グローバルプログラム責任者(M.D.、M.S.C.E.)のコメント
 ASCO GUで発表される進行または転移性腎細胞がんにおけるオプジーボとヤーボイの併用療法のChekMate -214試験の最新データは、泌尿生殖器がんだけでなく、複数のがん腫に対する免疫療法に関する当社の長年に及ぶリーダーシップを証明するものである。
 さらに、この長期の追跡調査の結果は、我々が予てより認識してきた免疫療法によってがん治療のパラダイムに変革を起こす可能性を学術界に示すものである。この患者集団を対象としたP3試験で、スニチニブと比較して最長の生存ベネフィットを示した8年間のデータによって、このファーストライン治療において免疫療法薬2剤の併用療法で全生存期間の持続的な改善が示され、この疾患における現在の標準治療としての役割が裏付けられたことを誇らしく思う。

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