京都府薬剤師会は21日、京都市内のホテルで令和6年新年のつどい並びに会員各賞受賞祝賀会を開催した。
開会あいさつで河上英治会長は、まず、「能登半島地震で亡くなられた方々にお悔やみ申し上げたい。被災地の一日も早い復興を願っている」と訴求し、「京都府薬も日本薬剤師会からの要請で11日に第一陣の支援薬剤師(1チーム3人制)が2チーム現地入りした」と明かした。今後も1チーム2人制で、22日、25日に京都を出発する。
河上氏は、本年4月からスタートする京都府保健医療計画についても、「病院薬剤師の不足問題を解決するための対策や災害コーディネーターの設置など各所に薬剤師の役割を明記して頂いた。今後の実証を見守って、3年後の中間見直しに反映させてたい」と語った。京都府薬が抱える課題にも言及し、「最も大きいのは会館問題」と指摘。「将来の薬剤師に求められている役割を果たすために薬剤師会館にどのような機能が必要かその在り方を会員と十分に議論してより良い方向性を見出していく」考えを示した。
2025年10月12・13日の両日、京都市で開催される日本薬剤師会学術大会については、「現在、この大会に向けて準備を始めており、皆さんにもご協力をお願いしたい」と訴えかけた。
また、京都府薬剤師連盟は、同日告示され2月4日に投開票される市長選挙に立候補する松井孝治氏(自民、公明、立憲民主、国民推薦)に推薦状を出しており、「塩麴(こうじ)は料理の旨味を増すが、京都の町は塩麴ではなく松井孝治(こうじ)でないと旨味が増さない」と松井氏の支援を呼びかけた。
来賓祝辞では、西脇隆俊京都府知事が「能登半島地震の被災地で、京都府薬の皆さんにも積極的に活動して頂いていることに感謝したい」と述べ、現在、京都府保健医療計画の見直しについても、「京都府薬や薬剤師の意見を十分に反映していく」考えを示した。
西田昌司参議院議員は、「今回の能登半島地震のように、半島地域で地震が起こると圧倒的なインフラ不足に陥る」と指摘。その上で、「もう一つ大事な医療も、‟赤字国債を孫の代に留めて良いのか”の論法で本来行われるべき社会保障の充実を30年間抑制されてきた。その結果、いざという時に助けてくれる人手が不足する現状を生んでいる」と主張した。
さらに、「限りあるのはお金ではなく、人手や生産力で、その点を正しい方向に戻さねばならないことを震災から学ばねばならない」と強調し、「医療にもインフラにもしっかりとお金を出さねばならない。そのことを理解している松井孝治候補を是非応援してほしい」と力説した。
本田顕子参議院議員(薬剤師)は、「昨年12月20日に診療報酬などのトリプル改定が決着したが、薬価は厳しい現実を突きつけられた。2024年の骨太の方針に向けて自民党内の先生方としっかり勉強しながら頑張っていきたい」と抱負を述べた。
神谷政幸参議院議員(薬剤師)は、「辰年は、成功の種が成長して形を整えていく年である。12年前には、薬学6年制の第一期生が社会に巣立って行った」と振り返り、「今年は、第8次医療計画で、災害薬事コーディネーターの設置や病院薬剤師不足への対応が各地域で動き出すのは一つの巡り合わせである。薬剤師がしっかりと社会に貢献できるように取り組んでいきたい」と語った。
松井孝治京都市長選挙候補は、「能登半島地震で人の命の大切さを改めて身に染みた。昨年の診療報酬改定は厳しい結果となったが、人の命をマーケットに委ねて市場原理主義で扱ってはならない。京都を安全で安心できる街にするため、全力で尽くしたい」と抱負を述べた。
一方、各賞受賞者祝賀会(令和5年度)では、乾賢一氏(瑞宝中綬章、春の叙勲)、川勝一雄氏(旭日小綬章、秋の叙勲)、中嶋一郎氏(瑞宝双光章、秋の叙勲)、河上英治氏(京都府教育功労者表彰学校保健厚労)ら18名の受賞者が紹介され、会場から万雷の拍手を受けた。