塩野義製薬は9日、NTTデータ、NTTデータ関西、クニエとモバイルアプリケーションなどを通じて治療を行うデジタル治療サービス(DTx、Digital Therapeutics)の普及に向けて、「DTx流通プラットフォーム」の協同構築を開始すると発表した。
DTxは、「疾患等を治療、管理、予防するため、エビデンスに基づいた治療介入を提供するデジタル製品」で、医療・ヘルスケアの幅広い領域で新しいモダリティとして期待されている。
一方で、DTxは一般の医療用医薬品とは処方までの流れが異なるため、より安全で効率的に患者に届ける新たな仕組みを検討・構築する必要がある。
また、医療機関とDTx事業者は原則1対1で個別に契約し、処方登録、請求などを行いますが、事業者ごとに契約プロセスや決済仕様が異なる場合、その事務手続きが医療機関の負担となる可能性がある。そのため、塩野義製薬とNTTデータ、NTTデータ関西、クニエは、DTxの普及推進のために、情報基盤となるプラットフォームの構築・標準化に向けて協業するに至った。
同プラットフォームのサービス開始は2025年を予定している。同プラットフォームは、患者と医療機関、DTx事業者に必要な情報の連携の仕組みを共通化し、情報を一元管理するものである。
医療機関とDTx事業者間の契約、請求や、処方登録などのさまざまな機能を集約し、医療機関とDTx事業者双方の負担を軽減するとともに、より安全で効率的な処方、流通体制の構築を目指す。
DTx流通プラットフォームの概要は図の通り。
塩野義製薬、NTTデータ、NTTデータ関西、クニエは、本取り組みに共感いただける行政や企業との連携・協業も視野に、本プラットフォーム構築を通じてDTxの普及に貢献できるよう協業を進めていく。