第一三共の2023年度第2四半期の決算は、売上収益7263億4400万円(前年同期比19.5%増)、コア営業利益953億2600万円(同12.4%増)、営業利益950億6300万円(同0.5%減)、税引前利益1020億9700万円(11.9%増)、四半期利益970億600万円(66.4%増)となった。
売上収益では、グローバル主力品の抗がん剤「エンハーツ」、抗凝固薬「リクシアナ」等の伸長及び円安の進行による為替の増収影響等により、二桁増収となった。売上収益に係る為替の増収影響は255億円であった。
利益面では、コア営業利益は前年同期比12.4%の増益となった。増益売上原価は、売上収益の増加に伴い、290億円(18.2%)増加の1884億円。販売費及び一般管理費は、エンハーツに係るアストラゼネカとのプロフィット・シェアの増加による費用増等により、669億円(31.9%)増加の2,766億円となった。
研究開発費は、5DXd-ADCs(トラスツズマブ デルクステカン、ダトポタマブ デルクステカン:Dato-DXd/DS-1062、パトリツマブ デルクステカン:HER3-DXd/U3-1402、DS7300、DS-6000)への研究開発投資の増加等により、前年同期比122億円(7.9%)増加の1660億円となった。
コア営業利益に係る為替の増益影響は28億円であった。
営業利益は、前年同期に第一三共製薬(北京)有限公司の譲渡益が一過性の収益に含まれていたため、前年同期並みとなった。
2023年度通期業績予想を上方修正
2023年度通期業績は、本年4月27日に公表した業績予想を上方修正した。売上収益は、円安による増収効果に加え、エンハーツを中心とする製品売上の好調な推移、ならびにDXd-ADC3製品に関する米国メルクとの戦略的提携契約締結に伴う契約時一時金の繰延収益を反映し、前回予想を1000億円上回る1兆5500億円に修正。
コア営業利益及び営業利益は、円安が経費の増加要因となるものの、売上収益の増加、及び米国メルクとの研究開発費のコストシェア開始による経費の減少等を反映し、前回予想を150億円上回る1550億円、1500億円にそれぞれ修正した。
税引前利益は、米国における金利上昇等による金融収支の改善を反映し、前回予想を250億円上回る1600億円に修正した。
・親会社の所有者に帰属する当期利益については、前回予想を200億円上回る1350億円に修正した。