武田薬品は26日、本年5月 11 日に公表した 2024 年3月期の通期連結業績予想を次の通り修正すると発表した。(カッコ内は前回予想との増減額)
売上収益3兆9800億(1400億円増)、 営業利益2250億円(1240億円減)、税引前利益700億円(1150億円減)、親会社の所有者に帰属する当期利益930億円(490億円減)、基本的1株当たり当期利益59円45 銭(90 円 75 銭)。
Core売上収益3兆9800億円(1400億円増)、Core 営業利益1兆0150億円(-)、Core EPS447 円(-)。
修正理由は、売上収益については、為替の円安傾向を考慮し公表予想の前提為替レートを変更したため1400 億円増収(+3.6%)の3兆 9800 億円に上方修正した。
営業利益は、当初公表予想から1240億円(△35.5%)減益の2250億円に下方修正した。その要因は主に、「アロフィセル」(クローン病に伴う痔瘻)と「EXKIVITY」(非小細胞肺がん)に係る無形資産減損損失を上期に計上し、製品に係る無形資産減損損失の予想の前提条件を修正したことによるもの。
また、その他の営業費用についても、当初公表予想では見込んでおらず織り込んでいなかった上期に計上された引当金を反映し、修正している。
本業に起因しない非中核の事象による影響を調整したCore営業利益は、当初公表予想の1兆150億円を据え置いている。
当期利益(親会社の所有者帰属分)は、490 億円(△34.5%)減益の 930 億円に下方修正した。
税引前利益は、当初公表予想からの減益を見込んでいるが、2014年にシャイアー社が受領した買収違約金に係る税務評価について、アイルランド歳入庁と和解したことにより 635 億円の税金費用を上期に減額したことから、当期利益(親会社の所有者帰属分)に対する影響の大部分は相殺できる見込みにある。
財務ベースのEPSは、34.5%減少の59円45銭、Core EPSは、3.1%増加の 447 円を見込んでいる。
武田薬品は、Core売上収益、Core 営業利益、Core EPS の CER(Constant Exchange Rate:恒常為替レート)ベースの増減率をマネジメントガイダンスとしている。通期のマネジメントガイダンスについては、2023年5月 11 日の決算発表時から修正はない。