武田薬品は3日、非小細胞肺がん治療薬EXKIVITY について、FDAと議論の結果、米国での上市の自主的取り下げに向けてFDAと協働していくと発表した。
EXKIVITYが既に承認されている国においては全世界で同様に自主的取り下げを開始する予定で、現在販売されているその他の国では規制当局と今後の対応について協議を進めていく。
EXKIVITYは、プラチナ製剤ベースの化学療法を実施中あるいは実施後に病勢が進行した上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異陽性を伴う局所進行性または転移性非小細胞肺がんの成人患者を対象としており、同決定は、P3相EXCLAIM-2検証試験の結果に基づくもの。この試験で主要評価項目が達成されなかったため、米国FDAから付与された迅速承認および他の国々における条件付き承認の検証データの要件を満たさなかった。
EXCLAIM-2試験は、EGFRエクソン20挿入変異を伴う局所進行または転移性非小細胞肺がんの一次治療におけるEXKIVITY単剤療法とプラチナ製剤ベースの化学療法との安全性および有効性を検討するために計画されたP3相多施設共同非盲検試験。
EXCLAIM-2試験において新たな安全性シグナルは認められなかった。試験の全データは、今後の医学学会もしくは査読付き学術誌にて発表する予定である。
武田薬品は、EXKIVITYの投与を受けている患者が医療提供者との相談のもと、適切な使用を継続できるように努めており、規制当局とともにアクセスの仕組みについて積極的に検証している。
現在、EXKIVITYによる治療を受けている患者は、担当の医療提供者に相談する必要がある。継続的なアクセスに関する質問は、globaloncologymedinfo@takeda.comで受け付けている。
同件の2024年3月期(2023年度)の通期の連結業績予想については、影響額を引き続き精査し、必要に応じて適切に見直していく。
◆Awny Farajallah武田薬品グローバル メディカルアフェアーズ オンコロジーのヘッド(M.D.)のコメント
アンメットニーズの高い患者さんのためのソリューションを追求するという揺るぎない取り組みにより、当社はEGFRエクソン20挿入変異を伴う転移性非小細胞肺がんの患者さんのための初の経口治療薬として、EXKIVITYを開発し、上市するに至った。
当社は、幸運にも、これまで十分な治療を受けていなかったこの患者さんの集団に、EXKIVITYが与えた影響を目にすることができた。また、このような患者さんへの新たな治療薬を導入するために承認を受けて以来、進歩が認められたことに勇気づけられている。EXCLAIM-2試験で得られた知見が、この疾患の今後の研究開発に役立つことを期待している。