グローバル人事制度の運用開始 小野薬品

 小野薬品は2日、グローバル化推進における経営基盤の強化に向け、10月より国内外の従業員を対象とした共通のグローバル人事制度の運用を開始したと発表した。
 また、新制度運用に併せて個人と組織の生産性の最大化を推進するために、Workday, Inc(本社:米国カリフォルニア州プレザントン)の日本法人であるワークデイ(東京都港区)から人財情報システム「Workday ヒューマン キャピタル マネジメント(Workday HCM)」を導入し、運用をスタートした。
 小野薬品は、世界中の患者に同社が創製・開発した医薬品を届けられるように、グローバルスペシャリティファーマを目指して、グローバル開発・自社販売できる体制の構築に取り組んでいる。
 現在、米国、欧州(英国)、韓国および台湾に現地法人を置いているが、これまでは日本および各現地法人において、独自の人事制度および人事システムで運用してきた。
 今後のさらなる海外事業展開の推進に向けて、地域を超えた同社グループ共通の人事評価や組織運営が必須であると判断し、今回、国内外の従業員に共通のグローバル人事制度を構築するとともに、すべての人事データを一元管理できるよう人財情報システムWorkday HCMを導入した。
 小野薬品の成長戦略においては、部門横断的に経営基盤を支える横断人財およびスキルと専門性を持つ専門人財が連携することで、持続的な成長の実現を目指しており、今回の新制度の運用によって、グローバルで通用する人的資本の拡充を推進していく。
 新たな人事制度では、制度の骨格である「等級」「評価」「報酬」のそれぞれの制度の考え方およびプロセスをグローバルで統一することで、タレントマネジメントをはじめとした人事施策ならびに業務プロセスの標準化を目指す。グローバル人事制度の概要は、次の通り。

①等級制度
 従業員が個々に担う職務や責任を明確にし、グローバル共通の基準に沿って等級を決定する。新たな等級制度の導入により、求められる役割・成果と処遇に対する納得感を醸成するとともに、各ポジションに求められる要件を明らかにすることにより従業員のキャリア自律を促す。

②評価制度
 同社の強みや大事にしたい価値観に関して経営層を中心に議論を重ね、新たにグローバル共通のコンピテンシー(従業員に期待する思考・行動様式を明文化したもの)を策定した。併せて評価項目、尺度、プロセスの共通化により、国や拠点を越えた人財の活躍や育成、コンピテンシーの発揮を後押しする。

③報酬制度
 グローバル共通のガイドラインを整備し、より市場競争力のある報酬制度を実現するとともに、成果創出・コンピテンシーを発揮した従業員に報いる報酬体系とすることで、従業員の働き甲斐を醸成する。新たな報酬制度は、2024年度より導入予定。
 また、グローバル人事制度の導入に併せ、新たに人財情報システムWorkday HCMの運用を開始した。
 Workday HCM は、常に変化する世界の中で企業組織が迅速かつ柔軟な人財活用に対応できるよう、必要なインサイト、アジリティ、エクスペリエンスを単一のシステムで提供する人財管理ソリューションだ。
 Workday HCM では、人的資源に関するデータを一元的、かつ視覚的にわかりやすいインターフェースで管理できるため、従業員の人事関連データを基にした迅速な意思決定をそのまま経営戦略に活用できるほか、将来的な人財戦略やビジネスの変化・成長に合わせて、アナリティクスやプランニングなど最適な機能拡張ができる。
 これまで国内および海外の現地法人ごとに異なるシステム基盤を利用してきたが、Workday HCMを用いたグローバルにおける一元管理により、国内外の組織や人財情報のリアルタイムでの可視化および活用が可能となり、社内情報管理の観点からも、スピーディなグローバルシステムの展開および拡張が可能となる。
 今後も、同社は、引き続き後継者育成計画、人財育成、採用等の機能やデータを拡充し、グローバルでの戦略的人事施策の実行、ならびに人事業務の共通化による生産性の向上を進めていく。
 

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