マラリア研究機関との新規作用機序抗マラリア薬前臨床候補物質創出プロジェクトにGHIT Fundが3.34億円助成 田辺三菱製薬

 田辺三菱製薬は27日、マラリア治療の研究機関であるMedicines for Malaria Venture(MMV)と共同研究を進めている新規作用機序抗マラリア薬の前臨床候補物質創出を目的とするプロジェクトが、グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)の助成案権に選定され、3.34億円の助成金を受けると発表した。
 同プロジェクトは、2年間のプログラムにおいて単回投与可能で熱帯熱マラリアと三日熱マラリアの予防または三日熱マラリアの再発予防に効果を示す抗マラリア薬の前臨床候補物質創出を目指している。
 田辺三菱製薬は、2015年にGHIT Fundを通して田辺三菱製薬の医薬品化合物ライブラリー(約5万化合物)をMMVに提供し、GHIT Fundの助成を受け共同研究を開始した。また、2019年からは新規抗マラリア薬の候補となるリード化合物2種類の最適化を進めてきた。
 今回、創出をめざす前臨床候補物質はその成果から得られたもの。さらに三日熱マラリアの評価のため、ジョージア大学(University of Georgia、UGA)が新たに同プロジェクトのパートナーに加わり、田辺三菱製薬、MMV、UGAの共同研究として取り組む。
 マラリアは、エイズ、結核と並ぶ世界三大感染症の一つで、マラリアの根絶は、「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals, SDGs)」の目標3「すべての人に健康と福祉を」のターゲットだ。
 田辺三菱製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「医療アクセスの向上」を掲げており、GHIT Fundを通じたマラリアに対する一連の取り組みは、SDGsの達成と開発途上国における医薬品アクセスの向上に貢献するものと考えている。
 田辺三菱製薬は、アンメット・メディカル・ニーズに応える医薬品の創製を通して、持続可能な社会の実現に寄与するとともに、病と向き合うすべての人に希望ある選択肢を提供していく。

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