パトリツマブデルクステカン WCLC 2023で非小細胞肺がん三次治療のP2試験データ発表 第一三共

 第一三共は、 パトリツマブ デルクステカン(HER3-DXd/U3-1402、抗HER3抗体薬物複合体[ADC])のEGFR変異を有する転移性または局所進行非小細胞肺がん患者への三次治療を対象としたグローバルP2試験(HERTHENA-Lung01)のデータを世界肺がん学会(WCLC 2023)で発表した。同試験結果は医学雑誌「The Journal of Clinical Oncology」にも掲載された。
 発表によれば、有効性については、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤とプラチナ製剤併用療法による治療後に病勢進行したEGFR変異を有する転移性または局所進行非小細胞肺がん患者225名において、主要評価項目である客観的奏効率は29.8%(完全奏効 1名、部分奏効66名)であった。
 奏効期間の中央値は6.4ヵ月、病勢コントロール率は73.8%、無増悪生存期間の中央値は5.5ヵ月、全生存期間の中央値は11.9ヵ月であった。
 また、放射線治療歴のない脳転移を試験開始時点で有する患者30名において、頭蓋内病変の客観的奏効率は33.3%(完全奏効 9名、部分奏効 1名)、頭蓋内奏効の奏効期間の中央値は8.4ヵ月であった。
 安全性については、同剤の他試験と同様の傾向であった。グレード3以上の有害事象は64.9%の患者に認められ、主なものは血小板減少症(21%)、好中球減少症(19%)、貧血(14%)等でした。間質性肺疾患(ILD)については、12名がILD外部判定委員会により同剤と関連のあるILDと判定され、内訳はグレード1が1名、グレード2が8名、グレード3が2名、およびグレード5(死亡)が1名であった。
第一三共は、EGFR変異を有する非小細胞肺がん患者へ新たな治療の選択肢を提供できるよう、同試験結果に基づき、2023年度下半期を目標に申請準備を進めている米国を含め、引き続き規制当局との協議を進めていく。

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