抗菌薬の国内安定供給で厚労省の「供給確保計画」における認定取得 塩野義製薬

 塩野義製薬は7月31日、シオノギファーマおよび兵Pharmiraより提出された「抗菌性物質製剤の安定供給にかかる計画」に対する申請が、厚労大臣より認定されたと発表した。
 抗菌性物質製剤、中でも同供給確保計画で取り扱うセフェム系抗菌薬を含むβラクタム系抗菌薬は、感染症の治療だけに限らず、手術時の感染予防等のための診療ガイドラインにおいても推奨薬に位置づけられるなど、医療上の必要性が極めて高いとされている。
 一方で、その原材料のほぼ100%を海外に依存している状況にあり、抗菌薬の国内への安定供給を左右する課題として指摘されている。
 実際、βラクタム系抗菌薬として汎用されるセファゾリンナトリウムについては、サプライヤーとして大きな割合を占める中国での製造上のトラブル等に起因し、2019年に長期にわたって供給が滞り、国内での医療の円滑な提供に深刻な影響を及ぼす事案が発生した。
 こうしたサプライチェーン上の課題を踏まえ、抗菌薬が経済安全保障推進法第7条の規定に基づく「特定重要物資」に指定され、国内で用いられる抗菌薬の安定供給確保に向けた検討が厚生労働省を中心に進められている。
 塩野義製薬では、これまでも、グループ会社であるシオノギファーマを主体として「医薬品安定供給支援事業」の採択を受けながら、抗菌薬の原薬製造体制の整備に取り組んできた。
 今回の供給確保計画に係る認定を受け、担当する抗菌薬の国内安定供給に向けたサプライチェーン体制の強靭化をさらに進めていくとともに、Pharmiraが強みとして有する連続生産技術を用いたより効率的で安全な製造手法の開発にも取り組んでいく。

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