ベネトクラクス併用療法 慢性リンパ性白血病の無増悪生存期間引き続き維持 アッヴィ

 アッヴィは29日、ベネトクラクス併用療法について、慢性リンパ性白血病ににおいて長期の安全性および有効性を維持を示す新たな結果を発表した。
 対象は、併存疾患があり治療歴のない慢性リンパ性白血病(CLL)および再発/難治性(R/R)CLL。この結果は、ドイツのフランクフルトで開催される欧州血液学会(EHA)年次総会の口頭演題で公表される。
 P3相CLL14試験の新たな6年後の追跡調査結果から、併存疾患があり治療歴のないCLL患者における最新の成果が報告された。
 ベネトクラクス/オビヌツズマブ固定期間併用療法を受けた患者において、PFSの改善が維持され[95%信頼区間(CI):0.31~0.52、ハザード比(HR):0.40]、微小残存病変陰性(uMRD)の割合は、ベネトクラクス/オビヌツズマブ固定期間併用療法群においてクロラムブシル/オビヌツズマブ併用療法群よりも高い結果になった(それぞれ53.1%および21.7%)。
 また、同解析データから、次の治療開始までの期間(TTNT)は、ベネトクラクス/オビヌツズマブ併用療法群で有意に改善し65.2%(95%CI:0.33~0.58、HR:0.44)であったのに対し、クロラムブシル/オビヌツズマブ併用療法群では37.1%であった。
 ベネトクラクス併用療法と化学免疫療法との間で認められたPFSおよびTTNTに関する効果の差は、CLLの高リスクな分子特性を有する患者を含むすべてのリスクグループで認められた。
 この6年後の追跡調査に基づく解析では、新たな安全性のシグナルは確認されなかった。ベネトクラクス併用療法群で特に高頻度にみられたグレード3の有害事象(2%以上)は、好中球減少症、血小板減少症、注入に伴う反応(治療期間中)、貧血、発熱性好中球減少症、肺炎および白血球減少症であった。

◆Mariana Cota Stirnerアッヴィの血液がん領域vice president(M.D., Ph.D.)のコメント
 CLL14試験およびMURANO試験から得られた結果から、ベネトクラクス固定期間併用療法は、CLL患者さんにとって長期にわたる有用性を示しているともいえる。
 今回の結果は、現在の血液がん治療のあり方を進化させるという我々のコミットメントを強調するもので、治療終了後もベネトクラクスの効果が長期間持続しうることを示すものである。

◆Othman Al-Sawaf CLL14試験治験医師、ドイツのケルン大学病院の血液学・腫瘍学者University かつGerman CLL Study Group担当医師(M.D.)のコメント
 最新の知見では、治療終了から5年後という長期間にわたって患者さんが病勢コントロールを維持できうることが示された。ベネトクラクス/オビヌツズマブ固定期間併用療法は、併存疾患があり治療歴のないCLL患者さんにとって有用な治療法であることが裏付けられた。

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