ゾコーバ 本承認に向けた製造販売承認申請実施と発症予防試験グローバルP3試験開始  塩野義製薬

 塩野義製薬は9日、新型コロナ経口治療薬「ゾコーバ」について、8日付けで日本における同薬の緊急承認下での本承認取得に向けた製造販売承認申請を行ったと発表した。
 また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発症抑制効果の検証を目的としたグローバルP3相曝露後発症予防試験(SCORPIO-PEP試験)を開始し、9日、日本において最初の被験者の初回投与が行われたことも明らかにした。
 ゾコーバは、昨年11月22日、有効性が推定されるとして緊急承認されたが、1年以内に有効性が確認できるデータ提出による本承認に向けた製造販売承認申請を要していたもの。
 一方、SCORPIO-PEP試験の主要評価項目は、「被験薬投与開始から10日間における、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染しCOVID-19症状を発症した被験者の割合」で、COVID-19初発患者の家庭内同居者(濃厚接触者)を対象に、ゾコーバを5日間投与した際の有効性および安全性をプラセボ投与群との比較で検証する。日本、米国を中心に、2200人の被験者が登録される予定である。
 新型コロナ感染症の予防については、ワクチン接種が基本とされているが、今後もウイルスが変異を繰り返しながら免疫を回避し、流行が継続することが予想されることから、ワクチン接種だけでは、ウイルス感染や発症、重症化を完全に抑えることは困難である。そのため、新型コロナ感染症を発症している患者と濃厚接触した同居者への抗ウイルス薬の予防投与は、新型コロナ感染症予防の重要な選択肢となり得る。
 塩野義製薬は、同臨床試験も含めて、ゾコーバのグローバル開発を加速し、さらなるエビデンスの集積に努めるとともに、各規制当局による審査等に迅速に対応していく。
 加えて、引き続き、新たな変異株の出現や今後の流行状況に合わせ、必要とされる治療薬、ワクチンを迅速に提供できるよう、新型コロナ感染症に対する研究開発を推進する。
 なお、同件が2024年3月期の連結業績予想に与える影響については軽微である。

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