小野薬品は5日、化学療法2サイクルを追加したオプジーボとヤーボイの併用療法について、P3相CheckMate -9LA試験で転移性非小細胞肺がんにおける長期の持続的な生存ベネフィットを示したと発表した。戦略的提携するブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が6月4日に公表したもの。
4年間の追跡調査により、化学療法単独4サイクルと比較して、未治療の転移性非小細胞肺がん(NSCLC)において持続的かつ長期にわたる生存ベネフィットを示した。
最短47.9カ月の追跡調査において、免疫療法薬2剤による併用療法は、同試験の主要評価項目である全生存期間(OS)を引き続き延長し、4年生存率は、化学療法2サイクルを追加したオプジーボとヤーボイの併用療法群で21%、化学療法単独群で16%であった(ハザード比 [HR] 0.74;95% 信頼区間 [CI]:0.63 – 0.87)。
追跡調査において、化学療法2サイクルを追加したオプジーボとヤーボイの併用療法は、副次評価項目および患者の主なサブグループ全体で臨床的に意義のある有効性を引き続き示し、PD-L1発現レベルが1%未満および扁平上皮がんの組織型のアンメットニーズが高い患者でより顕著なベネフィットが認められた。
PD-L1発現レベルが1%未満:PD-L1発現レベルが1%未満の患者における全生存率は、免疫療法薬2剤による併用療法群で23%、化学療法単独群で13%であり、死亡リスクを34%低減した(HR 0.66;95% CI:0.50 – 0.86)。
扁平上皮がんの組織型:扁平上皮がんの組織型の患者の4年生存率では、化学療法を追加したオプジーボとヤーボイの併用療法群は、化学療法単独群と比較して、約2倍であった(併用療法群で20%、化学療法単独群で10%)。
この患者集団では、免疫療法薬2剤による併用療法群は、化学療法単独群と比較して、死亡リスクを36%低減した(HR 0.64;95% CI:0.48 – 0.84)。
CheckMate -9LA試験の追跡調査において、化学療法2サイクルを追加したオプジーボとヤーボイの併用療法の新たな安全性シグナルは認められなかった。
これらのデータは、2023年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会において、6月4日にプレゼンテーションで発表された。
オプジーボとヤーボイの併用療法は、現在までに、転移性NSCLC、転移性悪性黒色腫、進行腎細胞がん、悪性胸膜中皮腫および食道扁平上皮がんの5つのがん腫を対象とした6つのP3試験でOSの有意な改善を示している。
◆CheckMate -9LA試験の治験担当医師のDavid P. Carbone氏(オハイオ州立大学総合がんセンターの胸部腫瘍センター、ジェームズがん病院およびソローブ研究所所長、M.D.、Ph.D.)のコメント
化学療法を追加したニボルマブとイピリムマブの併用療法が、特に一般的に予後不良な患者さんにおいて4年間にわたり持続的な結果を示したことは、依然として治療が非常に困難な進行または転移性非小細胞肺がんの患者さんにおける、特定の化学療法を追加した免疫療法薬2剤による併用療法の持続的なベネフィットを示すものである。
PD-L1発現レベルが1%未満および扁平上皮がんの組織型の患者さんにおけるデータは特に勇気づけられるものであり、これまで最も予後不良であった患者集団において、併用療法が、化学療法単独と比較して治療後4年間にわたって死亡リスクを約3分の1に低減させることを示している。」
◆Abderrahim Oukessou BMSバイスプレジデント兼胸部がん領域開発担当である(M.D.)のコメント
非小細胞肺がんのような胸部がんの患者さんにはそれぞれ異なるニーズがあり、がんの治療には画一的なアプローチはない。私たちは、より多くの患者さんに有効で、予後を改善し、高いアンメットニーズが残る領域を解消し得るソリューションの研究に取り組んでいる。
2023年ASCOで発表される肺がんに関する当社のデータは、当社の医薬品が、進行がんおよび早期ステージの患者さん、そして個別化治療アプローチを必要とする治療が困難な患者集団の長期的な予後を改善する可能性を示す多数のエビデンスをさらに強固にするものである。
CheckMate -9LA試験の結果は、オプジーボを含む併用療法による4年間の持続的な有効性のベネフィットを示すものであり、さまざまながんのステージや組織型にかかわらず、より多くの患者さんに持続的な治療選択肢を提供するという当社の約束をさらに強調するものである。