フルキンチニブ 転移移性大腸がんに対する新薬承認申請でFDAが優先審査指定 武田薬品

 武田薬品は26日、フルキンチニブについて、治療歴を有する転移性大腸がんに対する新薬承認申請(NDA)が、米国FDAにより優先審査指定されたと発表した。
 フルキンチニブは、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)1/2/3に高い選択性を有する阻害薬で、適応症は、治療歴を有する転移性大腸がん(mCRC)の成人患者。
 承認されれば、同剤は、治療歴を有するmCRC患者の治療薬として、米国で承認された最初で唯一の3種類のVEGF受容体すべてに対して高い選択性を有する阻害薬となる。
 同NDAにおいて、FDAが設定した処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づく審査終了目標日は本年11月30日。フルキンチニブのNDAには、中国で実施されたP3相FRESCO試験からのデータとともに、P3相FRESCO-2試験から得られた結果を記載している。
 FRESCO-2試験は、治療歴を有するmCRC患者を対象に、フルキンチニブ+最良支持療法(BSC)群とプラセボ+BSC群を比較検討する米国、欧州、日本およびオーストラリアで実施されたP3相国際共同臨床試験で、主要評価項目および重要な副次評価項目を達成し、統計学的に有意で臨床的に意味のある全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)の改善がそれぞれ示された。
 これまでのところ、フルキンチニブの患者における忍容性は概ね良好である。
 フルキンチニブは、現在中国においてELUNATEの販売名で承認を取得している。中国における承認は、中国内のmCRC患者416例を対象としたフルキンチニブのP3相ピボタル登録試験であるFRESCO試験の結果に基づくもので、2018年6月にThe Journal of the American Medical Association(JAMA)に掲載された(NCT02314819)。
 2023年3月、武田薬品は、HUTCHMED社(中国)と中国国外でのフルキンチニブのグローバル開発、商業化および製造をさらに進めるための独占的ライセンス契約の締結を完了している。

◆Awny Farajallah武田薬品のグローバルメディカルアフェアーズオンコロジーのヘッド(M.D.)のコメント
 フルキンチニブは、その強力な臨床プロファイルで示されるように、治療歴を有する転移性大腸がんの治療体系を大きく変化させる可能性があると確信している。
 米国において、非常に大きな患者さんのニーズが存在し、我々は、患者さんのバイオマーカーのステータスにかかわらず、フルキンチニブがニーズを充足する可能性があると信じている。
 この治療法を可能な限り早く患者さんにお届けすることを目標に、FDAとの協議継続に期待を寄せている。

◆Dr. Michael Shi HUTCHMED社R&Dヘッド兼チーフ メディカル オフィサーのコメント
 フルキンチニブの臨床上のベネフィットは、国際臨床試験から中国での上市まで、様々な方法で確認されている。中国以外の世界におけるフルキンチニブの開発および商業化を促進するためのパートナーとして武田薬品と提携できることを嬉しく思う。
 今回のNDAの受理は、現在治療の選択肢が限られている治療歴を有する転移性大腸がんの患者さんへ、切望されている治療選択肢をお届けするという目標に向けた、大きな前進となる。
 また、世界中のアンメットニーズの高い患者さんを救う差別化された分子を設計し、開発するという我々が追及するビジョンにも繋がる。

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