アッヴィは25日、スキリージについて、既存治療で効果不十分な中等症以上の掌蹠膿疱症(PPP)成人患者への治療薬として国内の適応追加承認を取得したと発表した。
スキリージは、IL-23 を選択的に阻害する生物学的製剤で、同承認は、既存治療で効果不十分又は不耐性の中等症から重症の PPP 患者を対象とした日本国内P3II 相試験(M19-135 試験)結果に基づくもの。
日本においては、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、クローン病に続く6番目の適応症取得となる。
PPPは、慢性の炎症性皮膚疾患で、主に手のひらおよび足裏に細菌や真菌などを含まない膿が溜まった膿疱が数多くみられ、周期的に改善と悪化を繰り返す。
かゆみを伴う小さな水ぶくれが多発し膿疱に変化した後、かさぶたとなり、角層(皮膚の最表層にある薄い層)が落ち、これらの皮疹が混在した状態になる。 日本国内のPPP患者数は約15万人と推測され、日本におけるPPP罹患率は0.12%と欧米など他地域と比較して高い。
また、PPPは病変部である手のひらが他者から見える部位であり、足裏に生じる症状のため歩行時に痛みを伴い、また関節痛を伴うケースもあるため、QOLが損なわれやすい疾患の1つとされている。加えて、労働生産性の低下に関与する報告もある。。
PPPに対する治療として、禁煙等の生活指導や病巣感染の治療に加え、対症療法として第一に外用薬が選択されている。治療抵抗性の場合には、光線療法および内服薬による治療7のほか、生物学的製剤を用いた治療も行われている。
だが、既存の治療では、治療抵抗性の患者も多数存在しているのが現状だ。同承認取得により、PPP患者に対し、治療開始時4週時、その後12週に1回の投与頻度により、患者に負担の少ない新たな治療選択肢の提供が可能となる。