山形県南陽市すこやか子育て課けん診係は15日、男性を対象としたHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンの接種費用を6月1日より全額補助すると発表した。
補助対象については、女性対象のワクチンと同様に定期接種年齢だけではなく、キャッチアップ接種年齢まで含める。性別に関係なく広い年代にワクチンを接種してもらうことで、感染リスクの減少を図るもの。男性を対象とした接種補助は県内初。
白岩孝夫市長は、「子宮頸がんがワクチンで予防できることを知らないまま、本人やパートナーが苦しい思いをすることを少しでも減らしたい」と述べている。
HPVは、女性の子宮頸がんや外陰がんのほか、男性もかかる肛門がんや陰茎がん、中咽頭がんの原因とされている。また、子宮頸がんは、性交渉によるHPV感染が発症の要因とされており、男性がワクチンを接種することにより、女性の子宮頸がん予防にも一定の効果が期待される。
女性を対象としたワクチンの接種については、昨年4月から公費による定期接種として勧奨が再開されたが、男性対象のワクチンについては、自費による任意接種となっている。
対象者は、女性の定期接種年齢とキャッチアップ接種年齢と同じ12歳から26歳までの男性。幅広い世代への接種を促すことで、感染リスクの減少を図る。
補助の開始は6月1日からで、男性への任意接種が認められている4価ワクチン3回分の接種費用4万8600円を全額補助する。接種協力医療機関でワクチン接種後、領収書を市の窓口に持参し、手続きをすることで補助が受けられる。 5月12日現在、対象者は1937人で、対象者には補助の詳細が記された案内が送付される。