エーザイは8日、抗体薬物複合体(ADC)BB-1701について、Bliss Bio(本社:中国浙江省)と戦略的提携に向けたオプション権を有する共同開発契約を締結したと発表した。
BB-1701は、エーザイ創製の抗がん剤エリブリンを、リンカーを介して抗HER2抗体に化学結合させたADCで、HER2を発現している乳がん、肺がんをはじめとした固形がんへの抗腫瘍効果が期待される。
エリブリンをペイロードとしたリンカー-ペイロードは、エーザイの米国研究拠点であるエクストン・サイトが開発した独自の技術プラットフォームで、様々な抗体への結合を検討している。
2018年に締結した両社によるライセンス契約に基づき、エーザイは、エリブリンをペイロードとした複数のADCについて、BlissBioにグローバルな独占的開発権を付与している。BB-1701について、現在BlissBioが実施しているP1/2試験の状況を踏まえ、共同開発を行う。
同共同開発契約に基づき、エーザイは、一時金および開発マイルストンをBlissBioに支払うとともに、乳がんを対象としたP2試験を実施する一方、グレーターチャイナ(中国、香港、マカオ、台湾)を除くグローバルにおけるBB-1701の開発・商業化に関するオプション権を獲得する。
同オプション権を行使した場合には、エーザイは、追加の一時金、および開発・薬事マイルストンのほか、上市後には販売マイルストンおよび売上収益に応じた一定のロイヤルティをBlissBioに支払う。すべての開発・薬事・販売マイルストンを達成した場合には、最大で総額約20億米ドルを支払う予定である。
◆大和隆志常務執行役エーザイチーフサイエンティフィックオフィサーのコメント
BB-1701は、当社が現代有機合成化学の粋を結集して創製し、既に乳がんおよび悪性軟部腫瘍の治療薬として患者様貢献を果たしているエリブリンをペイロードとしていることを特徴としている。
今後BlissBioとのパートナーシップによって本剤の開発を加速し、新たな治療選択肢として世界の患者さんにお届けできるよう全力を尽くす。