リムパーザとイミフィンジ併用療法 進行卵巣がん対象P3試験でPFS延長 アストラゼネカ

 アストラゼネカは13日、リムパーザとイミフィンジの併用療法について、tBRCA変異のない初発の進行卵巣がんを対象としたP3相 DUO-O 試験の中間解析においてPFS を延長したと発表した。
 卵巣がんと新たに診断され、腫瘍における BRCA 遺伝子(tBRCA)変異のない進行性高異型度上皮性卵巣がん患者さんを対象とした同試験において、事前に予定されていた中間解析で、リムパーザ、イミフィンジ、化学療法およびベバシズマブの併用療法群は、化学療法とベバシズマブの併用療法群(対照群)と比較して、無増悪生存期間(PFS)の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示した。患者は、イミフィンジと化学療法およびベバシズマブとの併用療法後に、維持療法としてイミフィンジ、リムパーザおよびベバシズマブを投与された。
 また、化学療法、ベバシズマブにイミフィンジを追加したもう一つの併用療法群では、対照群と比較して PFS の数値的な延長が示されたものの、この中間解析では統計学的有意には達しなかった。
 同中間解析時点では、全生存期間(OS)およびその他の副次評価項目についてはイベント数が不十分であったため、今後の解析時に正式に評価する。
 卵巣がんは、最も一般的な婦人科系がんの 1 つで、患者の2/3以上が進行性と診断される。病勢進行は早く、2年以内に進行することもよくあり、治療してもQOLが低下する。また、残念ながら進行卵巣がん患者の50~70%は5年以内に死亡する。
 これらの併用療法の安全性および忍容性は、過去の臨床試験、および個々の医薬品の既知のプロファイルと概ね一貫していた。これらのデータは、近く開催される医学学会で発表され、世界の規制当局と共有される予定である。
 なお、進行性高異型度上皮性卵巣がんに対するリムパーザ、イミフィンジおよびベバシズマブの併用療法、またイミフィンジおよびベバシズマブの併用療法は本邦未承認である。

◆同試験国際治験調整医師のPhilipp Harter氏(Evangelische Kliniken Essen-Mitteの婦人科および婦人科腫瘍科長)のコメント
 DUO-O 試験は、卵巣がんの患者さんに対する新たな併用療法を開発する上で、アカデミアと産業界との協業の力を示すものである。その成果を臨床コミュニティと共有できることを期待している。

◆Susan Galbraithアストラゼネカオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントのコメント
 進行卵巣がんの治療は著しい進歩が認められるものの、依然としてアンメットニーズが残っている。今回の DUO-O 試験のデータは、tBRCA変異のない患者さんにおいて、リムパーザとイミフィンジ併用療法の良好なエビデンスを示している。
 また、患者さんにとっての新たな治療アプローチを継続して探求するという我々のコミットメントを強化するものである。主要な副次評価項目および関連するサブグループのデータを理解していくことが重要になる。
 

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