抗がん剤開発中止で減損損失205億円計上、2023年3月期配当予想を7円減配 住友ファーマ

 住友ファーマは3日、抗がん剤TP-0903(dubermatinib)の開発中止による減損損失を205億円計上し、これに伴い2022年5月13 日に公表した2023年3月期配当予想を1株あたり14円から7円に減配すると発表した。
 同社では、急性骨髄性白血病(AML)を対象としたフェーズ 1/2 試験(外部研究機関主導治験)が中止となった後、開発方針検討中であった TP-0903(dubermatinib)について、開発を継続しないことを決定した。
 この結果、2023年3月期において、TP-0903 に係る仕掛研究開発を全額減損し、減損損失を205億円(152百万米ドル)計上する。なお、現在、北米がん領域に帰属するのれんの回収可能性について評価中であることなどから、他の業績変動要素も合わせて2023年3 月期連結業績予想の修正が必要と判明した場合には速やかに開示する。
 これに伴い、2022年5月13日に公表した2023年3月期配当予想を1株あたり14円から7円に減配した。年間配当金は、21円となる(前回予想は28円)。
 住友ファーマの配当方針は、業績に裏付けられた成果の適切な配分を重視しており、安定的な配当に加えて、業績向上に連動した増配を行うことを標榜している。また、企業価値のさらなる向上に向け、将来の成長のための積極的な投資を行いつつ、強固な経営基盤の確保と財務内容の充実を図っており、2019 年3月期を起点とする2023年3月期までの中期経営計画では、5年間平均の配当性向として20%以上を目指している。
 だが、2023年3月期は、複数品目において販売不振および開発不成功に伴う減損損失を計上した結果、営業利益および親会社の所有者に帰属する当期利益は、多額の損失を計上する見込みとなったため、当期の期末配当予想を減配した。

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