iPS細胞の量産を通じ細胞医療の普及を目指すアイ・ピース(本社:米国カリフォルニア州)は、「2022年バイオスペクトラム・アジア エクセレンスアワード」で、細胞医療特別賞を受賞した。12月2日にシンガポールでおこなわれた授賞式では、創業者でCEOでもある田邊剛士にトロフィーが授与された。
今回の受賞は、日本発の技術で世界を救うポテンシャルをもつiPS細胞の製造を事業として確立し、日本のみならず米国(FDA)や欧州の基準に適合したiPS細胞の提供を通じアジアの細胞医療推進への貢献を評価されたもの。
アイ・ピースの提供するiPS細胞やその製造施設は、PDMA、FDA、EMAなどの基準をクリアしており、既に世界各国の様々な製薬会社、医療開発企業・機関に医療用iPS細胞や分化細胞が提供されている。
アイ・ピースは、個人向けiPS細胞製造も進めており、将来の細胞移植医療への備えを提供するのみならず、様々なiPS細胞のライブラリー構築を通じて創薬・細胞医療開発推進を支援する。
今回の受賞を契機に日本発のグローバル企業として、iPS細胞を活用した細胞医療や創薬の更なる進展を支えていく。
アイ・ピースは、GMP iPS細胞の販売、及び医療用細胞の製造受託サービスをグローバルに展開している。京都大学山中伸弥教授の研究室出身で、世界で初めてヒトiPS細胞の樹立成功を報告した論文の第二著者でもある田邊剛士氏によって2015年に立ち上げられた。
iPS細胞の開発当初から研究に従事してきた田邊氏は、アイ・ピースを通じiPS細胞を全ての人々の手に届けることを目指し、日々革新的な技術開発に取り組んでいる。
アイ・ピース独自の技術により、コンタミネーションの懸念なく複数のドナー由来のiPS細胞を並行して製造することができ、多数のiPS細胞を適切な価格で提供することが可能となった。PMDA・FDA基準に沿った高品質細胞製品として同社のiPS細胞その他細胞製品を製薬会社・細胞医療開発会社に利用貰うことを通じて、創薬・細胞医療開発を支援。さらに、世界中の一人一人が自分自身のiPS細胞を持つことで将来に備える個人向けのiPS細胞製造も進めている。
同社では、細胞医療が一日も早く患者の手が届くものとなるよう、製薬会社・細胞医療開発会社を支援するとともに、個人向けiPS細胞バンキングサービスの確立により再生細胞医療の一日も早い普及を目指している。