点眼回数低減で点眼遵守や治療効果改善に期待
参天製薬は21日、ドライアイ治療用点眼剤「ジクアスLX 点眼液」について、16日より日本国内で発売したと発表した。薬価は、3%5mL1 瓶1060 円。
同剤は、2010 年から日本で販売している「ジクアス点眼液」(1回1滴、1日6回点眼)の製剤改良により、点眼回数を1日3回に低減した製剤だ。
ドライアイ治療において点眼遵守の低下をもたらす要因のひとつとして、点眼回数が多いことが挙げられる。
点眼回数を低減した「ジクアスLX点眼液」の治療選択肢の1つとしての提供は、患者の点眼における負担軽減の可能性があり、これにより、点眼遵守や治療効果の改善に繋がることが期待される。
「ジクアスLX点眼液」の有効成分であるジクアホソルナトリウムは、P2Y2 受容体アゴニストで、結膜組織に作用し、水分および分泌型ムチンの分泌を促進するとともに、角膜上皮の膜結合型ムチンの産生を促進する作用を有する。
これらの作用に加えて同点眼液は、涙液中脂質増加作用を有する。同点眼液の点眼により、量的・質的の両面から涙液異常を改善し、眼表面を正常な環境に近づけ、ドライアイの症状および角膜上皮障害を改善すると考えられる。
ドライアイは、目の表面を守るのに欠かせない涙の量の不足や、涙の質のバランスが崩れることによって涙が均等に行きわたらなくなる疾患であり、目の表面に傷を伴う場合がある。
高齢化、エアコンの使用、パソコンやスマートフォンの使用、コンタクトレンズ装用者の増加に伴い、ドライアイの患者も増加している。ドライアイ患者は、目が乾くなどの典型的な症状だけでなく、目が疲れやすい、物がかすんで見えるなど様々な症状に悩まされている。今回の製品改良により、患者さんの負担を軽減し、点眼遵守を容易にするなど、治療における利便性の改善への貢献が注目される。