小野薬品は14日、標的タンパク質分解(TPD)に基づいた医薬品の創製で有力企業のCaptor社(ポーランド)と、神経変性疾患領域において新規標的に対する分解誘導低分子医薬品を創製のための創薬提携契約を締結したと発表した。
同契約の締結に基づきCaptor社は、OptigradeTPDプラットフォームを駆使して分解誘導医薬品候補を特定し創製する。小野薬品は、同創薬提携から創製される分解誘導医薬品候補を全世界で独占的に開発・商業化する権利を取得する。
同社は、Captor社に対して、契約一時金、研究資金、研究開発などの進捗に応じたマイルストンとして、総額で最大1億9700万ユーロを支払う。加えて、小野薬品は、上市後の売上高に応じたロイヤルティをCaptor社に支払う。
TPDは、タンパク質を分解する生体の自然な働きを利用し、疾患の原因タンパク質を選択的に除去するために慎重に設計された低分子化合物を用いたアプローチ。
神経変性疾患を含む様々な疾患に対する新規治療薬の創製において、疾患の原因タンパク質を選択的に除去する薬剤は、低分子阻害剤や抗体のような従来の医薬品よりも、多くの利点を持つことが期待される。
◆滝野十一小野薬品取締役専務執行役員研究本部長のコメント
当社は、Captor社のOptigradeTPDプラットフォームを高く評価しており、新しい治療モダリティであるTPD誘導低分子医薬品の創製においてCaptor社と協働できることをうれしく思う。今回の新たな提携が、神経変性疾患の患者さんにとって革新的な医薬品の創製につながることを期待している。
◆Tom Shepherd Captor社最高経営責任者のコメント
私たちの研究開発チームは、がんおよび自己免疫疾患領域において独自の分解誘導医薬品候補を臨床ステージに向けて取り組んでいる。
今回、OptigradeTPDプラットフォームを神経変性疾患領域に適用することを目的とした小野薬品とのグローバル提携は、私たちの創薬プラットフォームが評価され、研究開発チームの成果の証となる。
神経変性疾患領域には重大なアンメットメディカルニーズが多くあり、分解誘導医薬品は大きな可能性を秘めている。この治療領域で成功するために必要な技能を持つ強力なパートナーとして小野薬品と協働できることをうれしく思う。