オムロンが飲料検査機大手キリンテクノシステムに出資

 オムロンは18日、飲料検査機大手 キリンテクノシステム(KTS)に出資すると発表した。出資は、安心安全な飲料の供給と、地球環境保全のさらなる加速を目的としたもの。
 キリンビールが保有するKTSの発行済み株式のうち60%をオムロンに譲渡することで、持分比率がオムロン60%、キリンビール40%となる。
 近年、消費者の食品・飲料に対する安心安全への関心が高まっており、製造現場では、食品・飲料の安心安全を確保する高度な品質管理や品質検査へのニーズが拡大している。
 一方、製造業における人手不足の深刻化が加速しており、人に依存した工程の自動化は経営課題となっている。
 また、社会課題であるプラスチック使用量削減に向けては、品質不良による廃棄物削減が地球環境保全の観点でも重要視されている。従来からの課題であった生産性のさらなる向上に加え、食品・飲料に対する安心安全の担保と、プラスチックや生産エネルギー使用量の削減を通じた地球環境保全を両立するには、検査の高精度化や自動化、不良品の削減が急務となっている。
 今回、オムロンがKTSへの出資に加わることで、検査データを活用した“製造業DX(デジタルトランスフォーメーション)”ソリューションを共に開発し、食品・飲料業界の発展に貢献する。オムロンの高度な制御技術と、KTSの検査技術を融合させ、新たな提供価値(ソリューション)を共創していく。
 具体的には、検査データから不良となる原因を特定し対策することで、工程内不良を作らない製造現場を目指す。共創により生み出したソリューションを世界中の飲料業界の顧客に展開することで、食品・飲料業界全体の品質改善・生産革新を促進し、不良品の削減などの地球環境保全にも貢献していく。

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