スキリージ 成人クローン病治療薬で国内承認取得 アッビィ

 アッビィは26日、スキリージについて、中等症から重症の成人クローン病患者に対する治療薬として日本での製造販売承認を取得したと発表した。スキリージはIL-23を選択的に阻害する生物学的製剤。
 同承認により、スキリージは日本において、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、膿疱性乾癬と乾癬性紅皮症に続く5番目の適応症を得た。同承認は、中等症から重症の活動性クローン病患者を対象とした、複数のP3相国際共同試験のデータから得られた結果に基づくもの。
 これらの試験において、スキリージ群は寛解導入療法および維持療法のいずれにおいても、プラセボ群と比較し内視鏡的改善および臨床的寛解の有意な改善を示した[内視鏡的改善は、簡易版クローン病内視鏡スコア(SES-CD)がベースラインから50%超の低下、または病変が回腸に限局しており、ベースラインのSES-CDが4の患者ではベースラインから2点以上の低下と定義。臨床的寛解は、平均1日排便回数が2.8 回以下でベースラインより悪化していない、かつ平均1日腹痛スコアが1以下でベースラインより悪化していないと定義]。
 クローン病は、10代、20代での発症が多く、日本国内における患者数は約7万人と推定され、年々増加傾向にある指定難病である。胃腸(または消化器)管に炎症が起きることで、持続的な下痢や、腹痛、直腸出血をきたす慢性、全身性の疾患である。進行性の疾患であり、時間経過とともに悪化する。
 さらに、クローン病の徴候・症状は予測できないため、患者さんにとって身体面だけでなく精神面、経済面でも大きな負担となることもある。クローン病は、症状が良くなったり(寛解)悪くなったり(再燃)を繰り返すことが多く、長い経過の中で重症化し、入院や手術が必要になることも少なくない。
 そのため、クローン病の治療では、できるだけ早期に治療をはじめ、疾患をコントロールして症状が落ち着いている状態(寛解)を維持し、患者さんの生活の質(QOL)を高めることが重要である。だが、現状の治療法では初期治療が奏功しない一次無効や、治療奏功後に時間の経過と共に効果が減弱する二次無効となる患者さんも存在する。
 今回の承認取得により、こうしたクローン病患者のアンメットニーズに応える新たな治療選択肢の提供が可能となる。さらに、アッヴィは、潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患(IBD)の領域に対して、スキリージに加えて、ヒュミラ、リンヴォックの3製品の提供を通じて、IBD患者に貢献していく。
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