新型コロナ感染症発症者の待期期間短縮について 新宿区 さこむら内科医院 迫村泰成

 9/7に加藤厚労大臣より自宅待期期間が、これまでの10日間から7日間に短縮されるという発表があった。マスク着用で短時間の外出も認める。「経済・社会活動を回していく」必要から上記の決定がなされた。医学的な見地から決定されたものではないことは押さえておく必要がある。
 オミクロン株の流行では、持病のない場合は軽症者がほとんどであり、待期期間を短縮し、旅行やイベントを再開していく方向性には反対ではない。
 ただし、医学の立場から言うと、発症7日後には感染性のあるウィルスがまだ排出されている。全員ではないが、1~2割程度の人は感染力がある(実際、4回ワクチン接種を受けたのち感染した自分は、7日目の抗原検査で陽性であった)。
 本来は、7日目に抗原検査を行い陰性を確認すれば、その後は隔離解除という方法がよいのかもしれない。
 7日目で隔離解除という今回の基準変更が、世の中の人々に「オミクロンは感染力が弱くなったため、8日め以降はもうどこに出ても大丈夫」という誤ったメッセージととられないことを望む。10日間は他者への感染リスクがあるという意識はなくさないでおきたい。
 特に、感染弱者と接する医療現場、介護現場に従事するものは、今まで通り10日間待期を極力守ること(エッセンシャルワーカーの現場ほど人手が足りないという状況は、もちろんある。どうしても出勤が必要な場合は、ぜひ7日目に抗原検査で陰性確認を勧めたい)。
 新学期が始まり、ワクチン未接種である小児が多い学校現場でも、できれば10日間待期を守ることが望ましいと思う。来るであろう第8波を大きなものにしないためにも。

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