オノアクト 小児の心機能低下例における頻脈性不整脈で効能追加 小野薬品

 小野薬品は24日、短時間作用型β1選択的遮断剤「オノアクト」について、小児の心機能低下例における頻脈性不整脈の適応追加承認を取得したと発表した。対象疾患は、小児の心機能低下例にける頻脈性不整脈(上室頻拍、心房細動、心房粗動)。
 今回の承認は、国内で実施した小児の心機能低下例における頻脈性不整脈を対象とした後期P2/P3多施設共同非盲検非対照試験(Heartful study:ONO-1101-31)の結果に基づくもの。
 同試験において、主要評価項目であるオノアクト投与開始2時間後における投与直前の心拍数に対する20%以上の徐拍化又は洞調律への復帰を認めた患者割合(目標達成患者の割合)は48.0%(12/25例)であった。
 安全性に関しては、本試験で認められた安全性プロファイルは、既承認の効能又は効果の試験で認められているものと一貫しており、新たな安全性の懸念は認められなかった。
 小児の先天性心疾患に対する開心術後などの循環動態が不安定な心機能低下例において、頻脈性不整脈が持続すると重篤化し、死に至ることがあるため、直ちに頻脈性不整脈に対する治療が必要になる。小児では体格や年齢によって、カテーテルアブレーション等の非薬物治療が困難な場合があるため、薬物治療が重要かつ主たる治療手段となる。だが、国内で小児適応が認められている抗不整脈薬は少なく、治療選択肢は限られている。
 オノアクトは、短時間作用型β1選択的遮断剤であり、主に心臓に多く存在するβ1受容体を選択的に遮断し速やかに心拍数を減少させることで、小児の心機能低下例における頻脈性不整脈の新たな治療選択肢になるものと期待される。

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