MSDは7月29日、15種類の肺炎球菌血清型に対応した「15価肺炎球菌結合型ワクチン(無毒性変異ジフテリア毒素結合体)」について、日本国内における小児に対する適応の製造販売承認申請を行ったと発表した。
15価肺炎球菌結合型ワクチンは、15種類(1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23F及び33F)の肺炎球菌血清型に対応したワクチン。
MSDは、2021年10月26日に、高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる成人における肺炎球菌(血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23F及び33F)による感染症の予防について製造販売承認申請を行っている。
今回の承認申請は、これらに小児に対する適応を加え、「小児における肺炎球菌(1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23F及び33F)による侵襲性感染症の予防」、並びに、「高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者における肺炎球菌(血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23F 及び33F)による感染症の予防」を効能又は効果として提出している。
15価肺炎球菌結合型ワクチンは、2021年7月に米国で「肺炎球菌による侵襲性感染症の予防」、2021年12月にEUで「肺炎球菌による感染症の予防」において18歳以上の成人に対する適応を取得している。
また、2022年6月に米国で肺炎球菌による侵襲性感染症の予防として生後6週から17歳までの小児に対する適応を取得している。
日本では、小児の定期接種ワクチンに「13価肺炎球菌結合型ワクチン(無毒性変異ジフテリア毒素結合体)」が導入された後、13価肺炎球菌結合型ワクチンに含まれる13血清型の肺炎球菌による侵襲性感染症(IPD)は減少した。一方で、ワクチンに含まれない血清型の肺炎球菌によるIPDが報告されている。
MSDは、1988年11月に23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン「ニューモバックス」を、さらに2006年11月には23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン「ニューモバックスNP」を発売し、日本人の肺炎球菌感染予防に貢献してきた。
15価肺炎球菌結合型ワクチンは「ニューモバックスNP」と免疫原性の面で異なる特性を持ち、「ニューモバックスNP」と共に、高齢者および肺炎球菌に罹患しやすい疾患を持つ人の肺炎球菌感染症予防に貢献でき、さらには小児の肺炎球菌感染症予防に貢献できると期待されている。
今後、MSDは、15価肺炎球菌結合型ワクチンの承認取得に向けて取り組むとともに、引き続き革新的なワクチンの開発を進めていく。