厚生労働省は15日、22日午後6時から8時まで薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会をWeb方式で開催し、塩野義製薬が開発している経口新型コロナ治療薬「ゾコーバ錠125mg」について、製造販売承認の可否及び毒薬又は劇薬の指定の要否を審議すると発表した。5月20日に公布された医薬品の新承認制度「緊急承認」を適用して実施する初めての審議となる。
出席者は、医薬品第二部会委員他。企業の知的財産等が開示され、特定の者に不当な利益もしくは不利益を与えるおそれがあるため非公開とする。
1日1回服用のゾコーバ錠は、2類枠の中で濃厚接触者が多くて保健所業務が逼迫し、80%以上が2回ワクチンを接種しているかなり一般的な診療状況に近い中で治験が行われ、ウイルス減少効果や症状改善が検証されている。従って、同剤は、既存の経口コロナ治療薬であるメルクの「ラゲブリオ」やファイザーの「パキロビッドパック」のように重症化リスクのある人への投与限定ではなく、重症化リスクに関係なく使用できるのが大きな特徴だ。
手代木功塩野義製薬社長は、「日常診療にかなり近い形でゾコーバ錠が使用できるように臨床試験を積み上げている。患者さんに有用で、ドクターや保健所の人々の業務軽減も期待できる薬剤になると考えている」と説明している。