新型コロナに対する長時間作用型抗体併用療法「AZD7442」を承認申請 アストラゼネカ

 アストラゼネカは9日、長時間作用型抗体の併用療法AZD7442について、新型コロナ感染症の発症抑制および治療を適応として、厚労省に製造販売承認を申請したと発表した。今回の承認申請は、特例承認の適用を希望している。
 AZD7442は、SARS-CoV-2 に感染し回復した患者により提供されたB細胞に由来する2種類の長時間作用型抗体であるチキサゲビマブ(AZD8895)とシルガビマブ(AZD1061)の併用療法である。
 日本での承認申請をサポートするデータとしては、症候性新型コロナ感染症の曝露前予防(SARSCoV-2 に感染しておらず、かつ感染者との濃厚接触のない集団)の有効性を評価し、プラセボと比較して症候性 新型コロナ感染症の発症リスクが統計的に有意に減少することが示されたP3試験 PROVENT のほか、症候性新型コロナ感染症の曝露後予防の有効性を評価するP3試験 STORM CHASER、新型コロナ感染症の外来患者を対象としたP3試験TACKLE、および日本と英国で実施されたP1試験の成績が提出されている。
 AZD7442は、複数の独立した in vitro および in vivo (動物モデル)試験により、SARS-CoV-2 オミクロン変異株に対する同剤の効果の検討が進められている。
 ワシントン大学医学部のデータでも、AZD7442は、現在世界的に主流となっている感染力の高い変異株 BA.2に対して、中和活性の保持が示されている。
 同研究では、AZD7442 がこれらオミクロン変異株のウイルス負荷を軽減し、肺の炎症を抑制した(in vivo 試験)ことも示された。
 オックスフォード大学が新たに実施した非臨床試験のデータでは、AZD7442 がオミクロンの新たな変異株である BA.4 および BA.5(BA.4/5)に対する中和活性保持が示されている。

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