21年度の日本医療用医薬品市場10.7兆円で前年比3.3%増 IQVIAジャパン グループが発表

2年ぶりに国内医薬品市場が前年度を上回る結果に

 IQVIAジャパン グループは24日、2021会計年度(21年4月-22年3月)と、2022年第1四半期(1月-3月)の日本医療用医薬品市場(薬価ベース)を、「IQVIAジャパン トップライン市場データ」として発表した。
 同グループでは、日本のヘルスケア産業の発展と透明性の創造、および社会の皆様に日本のヘルスケア市場についての理解を深めてるため、市場規模や薬効、製薬企業および医薬品の売上、処方、疾病に関するトップラインデータをメディアや医療・医学の研究に携わっている学術研究機関へ提供している。同社はトップラインデータの開示により皆様と情報の共有化を図ることで、日本のヘルスケアの発展への貢献を目指している。2021会計年度(21年4月-22年3月)の日本医療用医薬品市場トピックは次の通り。

◆21会計年度の日本医療用医薬品市場は、前年比3.3%増で 10兆6887億1000万円となり、2年ぶりに国内市場が前年度の会計年度を上回った。。

◆売上げ市場別では、「病院市場(病床100床以上)」(4兆9675億5000万円・前年比5.1%増)、「開業医市場(病床100床未満)」(2兆4億1700万円・0.4%増)、「薬局その他市場」(3兆7207億4300万円・2.6%増)。全3市場のプラス成長は2年ぶり。

◆新型コロナウイルスワクチンは政府一括購入のため、IQVIAジャパン「日本医薬品市場統計」には反映されていない。

◆売上げ上位10薬効では、前年比で「C10 脂質調整剤及び動脈硬化用剤」がランクアウトし、「T02診断用検査試薬」が2021暦年(1-12月)の9位に続き会計年度でも、2006年のトップライン市場データ発表以来、初の7位ランクイン。
 7、9位の2薬効以外は前年度とランク変動はなし。前年7位だった「C09 レニン-アンジオテンシン系作用薬」は9位で2つランクダウン。

国内売上トップは中外の5248億4800万

◆売上げ上位20社(販促会社レベル)では、2021暦年(1-12月)と同様会計年度でも、武田薬品工業(4884億3000万円・5.4%減)に代わり、2006年のトップライン発表以来初で中外製薬(5248億4800万円・10.4%増)がトップに立った。前年度15位ヴィアトリス製薬、19位日医工がランクアウトし、21年会計年度はセルジーンを統合したブリストルマイヤーズスクイブ(2758億6500万円・4.2%)が11位、協和キリン(1609億6600万円・4.9%増)が20位でそれぞれランクイン。

製品売上ではオプジーボが初のトップに

◆売上げ上位10製品での入れ替りは、前年度2位のオプジーボ(1253億9800万円・11.1%)がトップに。トップだったキイトルーダ(1195億2700万円・1.1%)が2位で入れ替わり。昨年9位のイグザレルトに代わり、アイリーア(866億8800万円・9.9%)が10位でランクインした以外は上位10製品のランク変動はあったもののラインナップは前年同様となった。

 また、2022年第1四半期(1月-3月)の日本医療用医薬品市場トピックは次に示す通りとなった。

◆売上げ市場別では、「病院市場」(1兆1874億3800万円・5.1%増)で2021年第1四半期から5四半期連続のプラス成長。
 「薬局その他市場(主に調剤薬局)」(8947億9100万円・2.0%増)で2021年第2四半期から4四半期連続のプラス成長。
 「開業医市場」(4747億9300万円・同3.1%増)で2021年第2四半期以来となるプラス成長となった。

●売上げ上位10薬効では、21年第3四半期以来、2期ぶりに4位でランクインした「T02 診断用検査試薬」(1007億4700万円・71.4%増)が最大の伸び。その他2桁成長は8位「N07 その他の中枢神経系用剤」(740億71百万円・11.8%)で計2薬効。

◆売上げ上位10製品では、前期(21年第4四半期)は、2018年第3四半期のマヴィレットハイゴウ以来となる、抗腫瘍剤以外でトップとなったタケキャブ(277億0200万円・11.5%増)は3位。
 トップは前年度のキイトルーダ(289億7000万円・5.1%減)からオプジーボ(333億3000万円・15.9%)に交代。キイトルーダは2019年第2四半期(4月-6月)から2021年第2四半期(4月-6月)まで9四半期連続トップを維持。オプジーボのトップは2021年第3四半期以来。

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