トレメリムマブとイミフィンジの併用療法 米国でHCCでの優先審査指定取得 アストラゼネカ

 アストラゼネカは12日、トレメリムマブとイミフィンジの併用療法について、米国FDAにおいて、切除不能な肝細胞がん(HCC)治療を適応とした優先審査指定を取得したと発表した。
この適応では、イミフィンジに関して生物製剤承認一部変更承認申請(sBLA)も提出されている。併用療法のこの新規の用量および投与スケジュールは、STRIDEレジメンと呼ばれる。
 FDAの審査終了目標日である処方薬ユーザーフィー法による日付は、優先審査バウチャー使用後の2022 年第4 四半期中である。
 HCCは、肝がんのもっとも一般的な組織型であり、肝がんはがんによる死因の第3位であるとともに世界中で6番目に多く診断されている。米国では毎年約 2万6000 人が進行性の切除不能なHCCに罹患している。
 トレメリムマブのBLA およびイミフィンジの sBLAは、米国臨床腫瘍学会の2022 年度消化器がんシンポジウムで発表されたP3相HIMALAYA 試験の最終結果に基づいている。
 HIMALAYA試験では、STRIDEレジメンによる治療を受けた患者において、ソラフェニブ治療を受けた患者と比較して、死亡リスクが 22%低下した(ハザード比[HR]0.78、96.02%信頼区間[CI]0.65-0.93;p=0.0035)。
 患者の3年生存率は、STRIDEレジメン群でほぼ3 人に1人(31%)で、ソラフェニブ群では5人に1人(20%)であった。
 STRIDEレジメンおよびイミフィンジ単剤療法の安全性プロファイルは、それぞれの医薬品の既知のプロファイルと一致しており、新たな安全性シグナルは確認されなかった。
 イミフィンジおよびトレメリムマブは、2020年1 月に、HCCの治療薬として米国で希少疾病用医薬品の指定を受けた。
 アストラゼネカでは、消化器がんを対象とした広範な臨床開発プログラムの一環として、局所HCC(EMERALD-1試験、EMERALD-3試験)および HCCに対するアジュバント療法(EMERALD-2 試験)を含め、様々な肝がんの状況でイミフィンジをさらに評価している。
 なお、トレメリムマブは本邦未承認であり、イミフィンジは切除不能な肝がんの一次治療としての単剤療法およびトレメリムマブとの併用療法に対する適応はない。

◆Susan Galbraithアストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントのコメント
 P3相HIMALAYA 試験では、切除不能な肝がんの患者さんを対象に、トレメリムマブの単回投与によるプライミングをイミフィンジに追加したところ、顕著な3年全生存率が認められており、このレジメンによって生存期間を延長できる可能性が明確に示されている。
 進行肝がんの患者さんでは新たな治療選択肢が切実に求められていることから、当社は FDAと緊密に連携し、この新たな治療法を米国の患者さんに1日でも早くお届けできるように努めていく。

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