「シオノギ感染症研究振興財団」設立 塩野義製薬

 塩野義製薬は11日、シオノギ感染症研究振興財団を設立する予定を発表した。 加えて、同財団の活動を継続的、安定的に支援する目的で第三者割当による300万株の自己株式の処分を行うことも併せて公表した。
 同社は、感染症領域の研究を援助・奨励し、学術の振興および人類の福祉に寄与することで企業の社会的責任を果たす。
 新財団設立は、100年に一度の新型コロナ感染(COVID-19)パンデミックを起点に感染症研究の重要性が再認識されたもので、人類にとって脅威となる感染症に関する研究の援助奨励による学術振興、および人類の健康と福祉の向上への寄与を目的とする。
 本年6月下旬の設立を予定しており、年間活動費は2023年以降約3億円。三井住友信託銀行を受託者、新財団を受益者とする300万株の自己株式有利発行を実施し、配当金をその財源とする。
 これに伴い、720万株または500億円を上限とする自己株式の取得を行い、420万株を消却する予定だ。
 2019年末より発生したCOVID-19は、人々の生活に甚大な影響を及ぼし続けている。だが、世界には三大感染症(エイズ、結核、マラリア)や熱帯病など、人類にとっての脅威がまだまだ存在し、薬剤耐性(AMR)や変異ウイルスの発生、拡大など、感染症に対する医療ニーズも数多く残されている。
 塩野義製薬は、「常に人々の健康を守るために必要な最もよい薬を提供する」という基本方針のもとに事業活動を展開。
 事業活動を通じて医療ニーズに応え、社会課題の解決を図ることで、社会に必要とされる企業として成長し、その成果をステークホルダーと共有することを目指している。
 その上で、同社の取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」を特定し、治療薬の研究・開発にとどまらず、啓発・検知・予防・診断ならびに重症化抑制といった感染症のトータルケアに対する取り組みを進めている。
 こうした取り組みの一環として、平時からの感染症研究の重要性や感染対策の必要性が改めて見直されている現状を考慮した結果、自社研究開発の推進、業界団体やパートナーとの連携強化に加えて、新たに感染症に関する研究を広く支援する枠組みが必要との結論に至り、新財団設立となった。
 これらの活動は、同社グループの経営理念の実現に資するものであり、企業の持続的成長と中長期的な価値向上に繋がるものと期待される。塩野義製薬は、今後も感染症の克服を目指して、様々な活動に積極的に取り組んでいく。

 財団の概要は、次の通り。
◆名称:一般財団法人 シオノギ感染症研究振興財団
◆所在地:大阪府大阪市中央区道修町三丁目1番8号
◆代表理事:塩野元三氏
◆活動内容
日本国内における(1)~(4)の各事業
(1) 感染症に関する研究助成
(2) 感染症に関する研究会・シンポジウム開催およびその助成
(3) 感染症に関する注目すべき研究業績に対する褒賞
(4) その他この法人の目的を達成するための必要な事業

◆活動原資:年間約3億円

◆設立年月:2022年6月下旬(予定)

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