小野薬品は19日、 フランスのDomain社およびカナダのMontréal大学と、新たに代謝性疾患領域におけるGタンパク質共役受容体(GPCR)を標的とした新規の低分子化合物の創製を目的とした創薬提携契約を締結したと発表した。
GPCRは、細胞内でGタンパクと結合する細胞表面受容体クラスのファミリーで、そのシグナル伝達経路は受容体とホルモンや生理活性物質と結合することで制御される。
GPCRを標的とする創薬は、中枢神経系、代謝性、心血管系、呼吸器系、泌尿器系及び消化器系疾患を含む多くの疾患領域に応用されている。
同契約に基づき小野薬品は、Domain社がMontréal大学から導入したGPCR創薬プラットフォームであるbioSens-All技術、およびGPCR創薬における医薬品化学および薬理学における専門知識を駆使して、同社が創薬標的として選択したGPCRに対する革新的な低分子化合物の創製にDomain社およびMontréal大学と取り組む。
小野薬品は、この創薬提携から創製される低分子化合物を全世界で独占的に開発・商業化する権利を取得する。
また、小野薬品は、Domain社およびMontréal大学に対して、契約一時金、共同研究プログラムの研究資金、研究開発の進捗に応じたマイルストーン、および上市後の売上高に応じたロイヤルティを支払う。
◆滝野十一小野薬品取締役専務執行役員研究本部長のコメント
当社は、Domain社およびMontréal大学のGPCR近傍のシグナルを検出するbioSens-All®技術を高く評価している。世界でもGPCR研究のトップサイエンティストを有するDomain社およびMontréal大学と協働して、アンメットニーズを抱える代謝性疾患の患者さんにとって革新的な医薬品を一日も早く創製し、お届けできるよう取り組んでいく。
◆Stephan Schann Domain社研究/パートナシップ部門Vice Presidentのコメント
小野薬品およびMontréal大学と長期の協力関係を構築できることをうれしく思う。bioSens-All技術は、GPCR創薬に取り組むための革新的なアプローチを構成する。
◆Michel Bouvier Montréal大学免疫・がん研究所(IRIC)最高経営責任者のコメント 我々は、非常に早い段階で、GPCRおよびその薬理に関する優れた専門知識を蓄積してきた。この新しい提携により、代謝性疾患の患者さんのために、我々の研究チーム、長年のパートナーであるDomain社および新しい戦略的パートナーである小野薬品との間に強い協力関係を確立することが可能になる。