武田薬品は19日、ノババックスの新型コロナワクチン「ヌバキソビッド」について、18歳以上を対象に19日に厚労省より初回免疫および追加免疫に対する製造販売承認を取得したと発表した。
同ワクチンは、ノババックスから製造技術ライセンス供与を受け、技術移転を行って現在の光工場で製造しているもの。同社では、日本政府と購入契約を交わしたワクチンを、供給準備が整い次第、順次出荷を開始する。
今回の承認は、武田薬品が実施した国内臨床P1/2試験における中間結果、ノババックスが実施した英国臨床P3試験、米国およびメキシコにおけるP3試験、オーストラリアおよび米国におけるP1/2試験の安全性と有効性のデータ、ならびに申請後に追加提出した海外の安全性および有効性のデータに基づいている。
国内P1/2試験の中間結果は良好で、英国ならびに米国で実施された臨床試験の結果と一致していた。国内臨床試験において同ワクチン投与群に重篤な有害事象は認められなかった。
また、米国およびオーストラリアで実施したP1/2試験ならびに南アフリカで実施したP2相試験において、初回接種から約6か月後に同ワクチンを1回追加接種したところ、追加接種前と比較して顕著な抗体価の上昇が確認され、安全性に関する大きな懸念は認められなかった。
ヌバキソビッドは、多くの医療用医薬品やワクチンと同様に冷蔵保存(保管温度:2-8℃)であり、通常のワクチンにおけるサプライチェーンを利用して輸送・保管することが可能である。
武田薬品は、厚労省のワクチン生産体制等緊急整備事業および国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)のワクチン開発推進事業 により、ノババックスの新型コロナワクチンを光工場において生産するための技術移転・生産設備の整備・供給及び研究開発に係る助成を受けている。
同ワクチンの2023年3月期(2022年度)の連結業績に与える影響は、具体的な供給スケジュールによる。2022年度の通期の連結業績予想は、本年5月の2022年3月期(2021年度)の年度末決算発表の際に公表する予定である。
◆Gary Dubin武田薬品グローバル ワクチン ビジネス ユニット プレジデントのコメント
新型コロナウイルス感染症は、世界中の健康とウェルビーングに大きな脅威であり続けている。我々は、ヌバキソビッドの日本における開発、および光工場でのワクチン製造に貢献できることを誇りに思う。
これからも新型コロナウイルス感染症に関する公衆衛生に対する取り組みを継続していく。