岐阜大学応用生物科学部共同獣医学科渡邊一弘教授、宮脇慎吾准教授は、岐阜大学で開発した臓器模型を製作するためのクラウドファンディングプロジェクト「動物の犠牲を伴わない手術実習で獣医師を養成したい」を公開した。
クラウドファンディングサービス「READYFOR」で公開されている同プロジェクトは、生きた動物を用いない手術実習の実現を目的としたもの。500万円を目標に、4月11日から6月15日23時まで寄付を募る。資金使途は、手術実習で活用できるシリコンの臓器模型の材料費および製作費。
目標金額の達成の有無に関わらず、集まった支援金を受け取ることができる寄付金控除型/All in形式で実施している。リターンは、5000円〜100万円の計7コース。
獣医師を志す学生は、動物を治療する「外科手術」を学ぶ。外科手術を学ぶために、生きた動物(生体)を利用するのは、動物愛護の観点から望ましくない。そのため、大学での手術の技術習得は座学と映像視聴、手術見学が中心であり、切開や縫合などの実技トレーニングが不十分になっている。
既存の生体を代替する模型は非常に高額で、全ての学生が使用できるわけではない。また、切開や縫合などの手術手技を学べるような模型はほとんどない。
そこで、渡邊氏らは、外科手術の実技トレーニングを学生ひとりひとりが繰り返し学べる犬の臓器模型を世界に先駆けて開発。今回、この臓器模型を実際に学生に使ってもらうための製作費を募るためクラウドファンディングに挑戦する。
将来的に、この臓器模型を全国に普及させることで、日本の獣医学教育や獣医療の質の向上に貢献する。