武田薬品は13日、タクザイロ(遺伝子組換え)について、2歳以上12歳未満の小児を対象とした遺伝性血管性浮腫(HAE)の発作に対するP3相臨床試験(SHP643-301試験、NCT04070326)において、安全性プロファイルおよび薬物動態(PK)の評価が終了し、評価項目を達成したと発表した。
安全性プロファイルはこれまでに公表された12歳以上の小児患者を対象とした臨床プログラムと一致し、重篤な有害事象の報告はなかった。
同試験において、2歳以上12歳未満の小児を対象とする遺伝性血管性浮腫の発症抑制 におけるタクザイロの臨床活性および臨床アウトカム を評価し、同剤の薬力学(PD)を 特徴付ける副次評価項目も達成した。
ラナデルマブは、血漿カリクレインに特異的に結合し、その濃度を引き下げる完全にヒト由来のモノクローナル抗体で、承認されている国内外において12歳以上の患者でのHAE発作予防を適応とする。皮下注射薬で、半減期は約2週間。
海外では、医療専門家によるトレーニングを受けたうえで、患者自身または介護者による投与も可能としている。
SPRING試験としても知られているSHP643-301試験は、2歳以上12歳未満の小児患者を対象とした遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制 におけるタクザイロの安全性、PKおよびPDの評価を目的とする多施設非盲検P3試験である。
2歳以上6歳未満の患者では同剤150 mgを4週毎に、6歳以上12歳未満の患者では同剤150 mgを2週毎に52週間投与した。
同試験は完了しており、全ての結果は今後開催される医学学会で発表予定。
◆アシュリー・イェギン グローバル メディカル アフェアーズのグローバル・メディカル・ユニットヘッドのコメント
今回の結果は、この有効な治療法が十分にない患者さん達 に対し、治療選択肢の提供の可能性を高めるものであり、大変心強く感じている。
遺伝性血管性浮腫における10年以上の経験と革新により、当社はこの生命を脅かす疾患を有する あらゆる年齢層の患者さんへの継続的な支援に取り組んでいく。
◆シャリテー・ベルリン医科大学(ドイツ)皮膚科・アレルギー科教授で同試験研究責任医師のマルクス・マウラー(Marcus Maurer)氏のコメント
タクザイロが重要な評価項目を達成したことを嬉しく思っており、近い将来、武田薬品が遺伝性血管性浮腫の患者さん達とさらなる知見を共有することを期待している。