アッヴィは5日、ウパダシチニブについて、FDAが中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎の成人患者の治療薬として承認したと発表した。
対象は、1種類以上の腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬で効果不十分または不耐容であった中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎の成人患者。
今回のFDAによる承認は、消化器領域におけるウパダシチニブの初めての適応症で、同承認はP3相、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験で得られた有効性および安全性のデータによって裏付けられたもの。
2つの導入療法試験(U-ACHIEVEおよびU-ACCOMPLISH)では、ウパダシチニブ45mgを1日1回8週間、維持療法試験(U-ACHIEVE維持療法)ではウパダシチニブ15mgまたは30 mgを1日1回52週間投与した。
すべての臨床試験で、プラセボ群と比較してウパダシチニブ群では、有意に多くの患者が8週時および52週時に主要評価項目である臨床的寛解(mMSに基づき判定)を達成した。臨床的寛解は、排便回数のサブスコア(SFS)が1点以下かつベースライン値を上回らず、直腸出血のサブスコア(RBS)が0点、内視鏡所見のサブスコアが1点以下で脆弱化が認められないものと定義した。
また、これらの試験では内視鏡的改善およびHEMI(組織学的・内視鏡的粘膜改善)を含むすべての順位付け副次評価項目を達成し、維持療法試験では副腎皮質ステロイド不使用での臨床的寛解も達成した。
すべての主要評価項目および順位付け副次評価項目について、プラセボ群と比較したp値は0.001未満であった。
◆アッヴィsenior vice president of research and development兼chief scientific officerの Thomas Hudson M.D.氏のコメント
中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎の患者さんはしばしば予測不可能であり負担を伴う症状に悩み、アンメットニーズが依然として存在している。ウパダシチニブの新しい治療選択肢として承認を受けて、我々はこれからも潰瘍性大腸炎患者さんの生活に貢献するため、本領域のリーダーとして研究を推進していく。
◆マイアミ大学ミラー医学部の医学・微生物・免疫学の教授、マイアミ大学ヘルスシステムのクローン病・潰瘍性大腸炎センターのディレクターのMaria T. Abreu, M.D.氏のコメント
潰瘍性大腸炎の患者さんは、排便回数の増加や出血などの予測不可能な症状のために、日常生活が困難になる場合がある。
臨床試験では、ウパダシチニブによって多くの患者さんの症状を8週間ですみやかにコントロールできることが示され、改善は1年時にも維持されていた。このような改善は、患者さんに前向きな変化をもたらすことができると信じている。