武田薬品は1日、6月29日開催予定の第146回定時株主総会でキンバリー・リード氏とジョン・マラガノア氏の2名の新任独立社外取締役候補者を提案すると発表した。
新たな候補者が承認された場合、退任の意向を表明している志賀俊之氏と国谷史朗氏の後任として、6月29日付で取締役会に加わる。
また、飯島彰己氏は、取締役選任につき株主の承認が得られた場合、同じく退任する坂根正弘氏の後任として、新たな取締役会議長に指名される予定である。
その他の現任の取締役は全員、再選が提案される予定だ。
リード氏は、直近では米国公認の1350億米ドルの輸出信用機関である米国輸出入銀行(EXIM)の取締役会議長、頭取兼CEOとして、競争の激しいグローバル市場における企業の成長に尽力した。
それ以前には、国際食品情報協議会財団のプレジデントを務め、農業、人々の栄養・健康問題に取り組んでいた。ヘンリー・ポールソン米財務長官、ジョン・スノー米財務長官の下、シニアアドバイザーも務めた。
さらに、コミュニティ開発金融機関基金理事長を務め、米国議会の3つの委員会の顧問として監視および調査を実施した。リード氏は現在、Momentus社(ナスダック:MNTS)の取締役であり、米国競争力協議会特別招聘員を務めている。
リード氏は、STEM分野における100人の女性リーダーの一人として選出され、アルツハイマー協会を含む多数の非営利団体の役員、外交問題評議会やインディアナ大学公衆衛生大学院のアライアンスメンバーでもある。ウェスト・バージニア大学ロースクールの法務博士の学位とウェスト・バージニア・ウェスレヤン大学の生物学の理学士号と政治学の学士号を取得している。
また、全米取締役協会(National Association of Corporate Directors: NACD)の認定ディレクターも務めている。
一方、マラガノア氏は製薬業界において30年以上にわたる豊富な経験がある。約20年間、Alnylam Pharmaceuticals社の取締役兼CEOを務め、2021年末に退任した。また、2017年6月から2019年5月まで、バイオテクノロジー産業協会(BIO)の議長を務めた。
Alnylam Pharmaceuticals社以前には、Millennium Pharmaceuticals社の役員および経営陣を、その前には、Biogen社において、分子生物学ならびに事業開発のディレクターを務めた。
同社では、注射用ビバリルジンを発明し、研究開発を指揮しました。シカゴ大学の生化学および分子生物学の分野において博士号と修士号の学位を取得している。
◆クリストフ・ウェバー武田薬品代表取締役社長CEOのコメント
これまでの坂根氏の取締役会議長としての多大なるご功労に感謝申し上げる。当社の変革とこれまでの成果は、坂根氏のリーダーシップによるものである。飯島氏が取締役会メンバーとして承認されれば、議長として、取締役会の運営にご尽力いただけるものと確信している。
また、志賀氏と国谷氏の当社への多大なる貢献にも感謝申し上げる。加えて、新たにリード氏とマラガノア氏が取締役会に加わることを楽しみにしている。
◆坂根正弘指名委員会委員長のコメント
武田薬品は、ガバナンスのさらなる強化に努めている。取締役会の人数を増やすことなく、国内外のステークホルダーの皆様の声を適切に反映しながら、取締役会における性別および国籍の多様性を引き続き推進していく方針である。
◆リード氏のコメント
武田薬品は変革に取り組んでおり、この重要な時期に社外取締役候補者となることを大変光栄に思う。
私は、バイオ医薬品企業として武田薬品がサイエンスの分野で有する強いリーダーシップ、確立された価値観に基づいた成長、サステナビリティの取り組みに尊敬の念を抱いている。
この度、世界中の人々の健康と人生を豊かにする治療法をお届けする一助となる機会をいただけることを嬉しく思う。
◆マラガノア氏のコメント グローバル製薬企業への武田薬品の変革に敬意を表わす。私の選任が承認された場合、他の取締役の方々とともに、優れたサイエンスおよび販売力を通じて、革新的な医薬品をお届けするという武田薬品のミッションに貢献することを心待ちにしている。