新型コロナVLPワクチン カナダで承認取得 田辺三菱製薬

 田辺三菱製薬は24日、連結子会社のメディカゴ社が開発する新型コロナVLPワクチン「COVIFENZ」(コビフェンツ、開発番号:MT-2766)について、同日、カナダで承認取得したと発表した。COVIFENZはグラクソスミスクライン(GSK)のパンデミックアジュバントを併用しており、GSKと共同発表したもの。
 COVIFENZは、18歳から64歳までの成人におけるSARS-CoV-2ウイルスによる新型コロナ感染症の予防を適応とするもので、植物を用いて製造されている。
 カナダにおいて昨年4月より同剤のローリングサブミッションの審査が開始され、同年12月に、申請資料の最終部分として第2/3相臨床試験のP3相パートのデータを提出した。
 試験実施期間中は主に変異株が流行しており、P3相パートの結果では、特に優勢であったデルタ株、ガンマ株に対する有効性はそれぞれ75.3%、88.6%であった。また、同剤の投与に関連する重篤な副反応は見られなかった。
 メディカゴとカナダ政府は、同剤の供給契約を結んでおり、メディカゴは可及的速やかに供給を開始出来るよう、準備を進めている。

日本国内は本年夏頃に申請予定

 新型コロナVLPワクチンは、日本においても、P1/2相試験を昨年10月から実施中で、カナダ申請に用いたデータ(2万4000例)に日本の臨床試験結果を加えて、本年夏頃の承認申請を目指している。
 田辺三菱製薬グループは、ワクチン領域を中枢神経・免疫炎症領域とならぶ重点領域と位置付け、ワクチン領域においても新しいモダリティの開発に取り組んでいる。新しいタイプのワクチンとなる植物由来VLPワクチンという新たな選択肢を届けることで、世界の最重要課題である感染症予防により一層貢献していく。

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