シミックとLokavantは23日、APACにおけるClinical Trial Intelligenceプラットフォーム拡大を目指し、提携を拡大すると発表した。今回の新しい複数年契約は、Lokavantのプラットフォームをシミックの技術革新戦略の中核に据え、APACにおける両社のプレゼンス強化を図るもの。
両社は、本年5月にパイロット契約を締結し、協業を開始している。Lokavantは、臨床試験における「RBM(Risk Based Monitoring)」をMachine Learningを用いて効率的に実施するソリューションを提供。パイロット運用では、臨床試験のパフォーマンスをベンチマークし、リアルタイムに運用分析するアプリケーションである「Oversight」を稼働させた。今回の提携拡大により、シミックはLokavantのデータハーモナイゼーションと予測分析機能を進行中ならびに今後の臨床試験へと適応を図っていく。
シミックとLokavantのコラボレーション内容は、次の通り。
・APAC地域で最大規模のオペレーション・データ・レポジトリに基づいて、進行中および今後の臨床試験から、すべてのオペレーション・データを取り込み、ハーモナイズする。シミックはLokavantのプラットフォームを試験データに関する信頼できる唯一の情報源として使用する。
・これらのデータは、Lokavantがデータ資産として保持する何千もの臨床試験から得られた匿名化過去データとともにLokavantの分析エンジンを強化する。これにより、シミックは予測的洞察に基づいて臨床試験の実行パフォーマンスを測定し、改善することができる。
・シミックの1200人以上の臨床試験オペレーターにLokavantのアプリケーション「Oversight」を展開する。この次世代RBMアプリケーションにより、シミックは、リスクを低減し、ICHガイドラインの遵守を維持しながらプロアクティブなアクションが可能となり、より効率的で質の高い臨床試験実現を目指す。
・RBMにとどまらず、分析アプリケーションを迅速に展開し、治験依頼者、CRO、実施医療機関、および被験者のデータの透明性と接続性をより適切にサポートする。
◆近藤良仁シミック副社長執行役員のコメント
日本を含むAPAC地域の多くの医薬品開発企業と同様に、当社のデータも以前は異なるチーム・システム・試験でサイロ化されていた。Lokavantはわずか数週間で、数百の試験におけるオペレーションデータを繋ぎ、ハーモナイズさせることで、これまで我々が認識してこなかった当社のパフォーマンスに関する知見を明らかにした。
これらの知見はシミックの企業全体のパフォーマンスをさらに一段向上させ、APAC地域の顧客のために時間・コスト・品質を向上させていく。我々は、今回の戦略的パートナーシップ拡大により、Lokavantを今後のすべての臨床試験においてClinical Trial Intelligenceソリューションとしていくことを喜ばしく思う。
APAC市場が成長し続ける中、このパートナーシップはシミックの地位を確固たるものにし、この地域でより良いデータ主導型の臨床事業業務を推進し、必要とする患者さんに重要な治療法を提供することに貢献していく。
◆Lokavant社長Rohit Nambisan氏のコメント
シミックは素晴らしいパートナーであり、さらなる臨床試験や新たなデータ駆動型アプリケーションでの協力関係拡大を嬉しく思う。この提携拡大は、すべての臨床試験および関係者にClinical Intelligenceを活用するためのさらなる検証を意味する。
我々の技術とシミックのこの地域での経験を組み合わせることで、アンメット・メディカル・ニーズの高い主要市場であるAPACにおいて、試験の効率と結果の両方を大幅に改善できるものと期待している。