マイナス70度超低温帯での遺伝子検査用試薬の混載輸送開始 ヤマト運輸とシスメックス

遺伝子検査用試薬輸送フロー

 ヤマト運輸とシスメックスは23日、シスメックスの拠点(神戸市)から検査機関(川崎市)まで、遺伝子検査用試薬のマイナス70度超低温帯での混載輸送をドライアイスフリーで開始していることを明らかにした。体外診断用医薬品の業界では国内初。
 この取り組みは厳格な品質・温度管理が必要な医薬品等のマイナス70度超低温帯での長距離輸送において、これまで不可欠と考えられていたドライアイスを一切使用しない、環境への配慮と低コストを両立した画期的なモデルだ。
 超低温保冷剤(ドライアイスフリー)の活用によるメリットは、次の通り。
①出荷時、製品の酸性化を防止するガスバリア袋・真空パック梱包が不要→環境負荷・作業負荷の低減および品質の安定

②輸送時、安定した温度を長時間維持(実証実験結果:マイナス65度以下、約48時間)→品質の安定

③納入時、製品へのドライアイス固着・開梱作業者の酸欠の懸念が不要→作業負荷の低減

 シスメックスでは、厳格な品質・温度管理が必要な遺伝子検査用試薬はチャーターなど専用便で輸送しており、輸送コスト、流通の柔軟性、利便性が課題となっていた。
 また、輸送の際、保冷のために必要となるドライアイスは石油精製の過程で排出されるCO₂などを原料としており、環境配慮、安定的な調達、調達価格の高騰などの観点から、改善に向けた施策を検討してきた。
 シスメックスとヤマト運輸は、この課題を解決するとともに、遺伝子検査用試薬の医療現場への安定供給を目指し、2021年2月からGDPに準拠した品質管理の下、ドライアイス使用量を約50%削減した超低温帯での混載輸送を開始。
 今回、両社はさらなる環境負荷低減を目指し、ドライアイスの代替として超低温の冷凍庫で凍結した保冷剤を活用して輸送の実証実験を行い、ドライアイス使用時よりも高い保冷性能を確認した。
 この結果を受け、両社は本年12月より、シスメックス(神戸市)から検査機関(川崎市)まで、体外診断用医薬品業界で初めて、遺伝子検査用試薬のマイナス70度超低温帯での混載輸送をドライアイスフリーで開始した。
 今後、両社はドライアイスフリーで医薬品等の長時間かつ長距離の輸送が可能な本モデルを活用し、日本国内における対象品目・配送エリアを順次拡大していく。さらに、海外向け輸送への展開にも取り組み、高品質かつ安定した製品供給などコールドチェーンの進化に取り組む。
 今後、今回のモデルを活用し、対象品目・配送エリアの拡大に取り組み、持続可能な医薬品コールドチェーンを実現、医療現場への高品質かつ安定した製品供給を行っていく。

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