MSDは20日、HIV-1感染症に対する曝露前予防を目的に開発中のイスラトラビル(MK‑8591)について、FDAがclinical holdとしたと発表した。FDAによるclinical holdは、治験においてイスラトラビルを投与した患者の一部に総リンパ球数およびCD4陽性T細胞数の減少が認められたことによるもの。
同社は、これまでに、イスラトラビルとMK-8507の併用を評価するP2試験IMAGINE-DR(MK-8591-013)における投与を中止し、月1回投与のPrEPのP3試験(MK-8591-022およびMK-8591-024)の患者登録を一時中止したことを発表している。
FDAのclinical holdにより、新たな試験を開始することはできない。現在、PrEPの治験において経口または埋込型のイスラトラビルが投与されている被験者、および治療薬または予防薬として注射剤のイスラトラビルが投与されている被験者は、治験薬の投与を中止し、CD4陽性T細胞数および総リンパ球数の回復についてモニタリングを実施する(full clinical hold)。
PrEPの治験の被験者には今後、承認されている1日1回経口PrEPが投与される。また、DOR/ISLの治験において既に投与を開始している被験者は投薬を継続する(partial clinical hold)。
Partial clinical holdの期間中、DOR/ISLの治験では新たな被験者のスクリーニング、無作為割付けは実施されない。治験担当医師には、これらの措置について告知している。