武田薬品は26日、短腸症候群(SBS)治療剤「レベスティブ」について、剤形追加として、厚労省に低含量製剤の製造販売承認申請を行ったと発表した。
同剤は、3.8mg製剤では投与ができない「体重10 kg未満又は体重20 kg未満の中等度以上の腎機能障害(クレアチニンクリアランス50 mL/min未満)を有するSBS患者」への投与を可能とするもの。これにより、特に小児SBS患者への投与機会の向上が期待される。
SBSは、まれで重篤な慢性疾患で、食事から十分な水分や栄養を吸収できず、生命を維持するために経静脈栄養が必要となる。
SBS の病因は、成人と小児で異なる。小児では壊死性腸炎と先天性異常、成人では腸間膜血管疾患、炎症性腸疾患、および術後合併症が最も一般的な原因である。
多くの患者では、腸管機能が順応していくが、中には腸不全を伴うSBS(SBS-IF)として生涯にわたり経静脈栄養や静脈内輸液を必要とする患者もいる。
経静脈栄養や静脈内輸液は生命維持に不可欠である一方、SBSの病態や経静脈栄養への依存は、患者のQOLを低下させ、カテーテル関連血流感染症、敗血症、血栓症や腸管不全関連肝障害などの重篤な合併症につながり、生命予後が低下する恐れがある。
また、SBS患者は、栄養失調、脱水、下痢、疲労、脱力などの多くの症状を抱えながら生活している。SBSの有病率および罹患率は多くの国で明らかになっておらず、日本においても同様である。多くの推定値は、SBSのために長期的な在宅静脈栄養を要する患者数のデータに基づいている。